ブルックリンスタイルのインテリアが人気です。アンティーク煉瓦やインダストリアルなアイテムを使ったブルックリンスタイルのインテリア。なぜかリラックスしてしまいます。
ちょっと前まではインテリア雑誌などで見て、「さすがNY、素敵だな~」なんて思っていたら。ここ数年、日本でもお洒落なカフェやレストランで、ブルックリンスタイルのインテリアを見かけるようになりました。お住まいにも、ブルックリンスタイルを取り入れる方がちらほら。
今回は、ブルックリンスタイルのインテリアをつくるコツをご紹介します。大切なのは、素材感です!
ブルックリンスタイルとは?
ブルックリンは、NY市にある5区のひとつ。同じNYでも、マンハッタンは高層ビルやオフィスが並び、最先端でゴージャスな雰囲気。これに対してマンハッタンは、古い煉瓦の外壁といった昔ながらの建物が多く、気取らない雰囲気です。
そもそも、マンハッタンの家賃が高すぎるために、川を挟んで隣街のブルックリンにデザイナーやアーティスト達が移り住んだことがブルックリンの始まり。そのため、街全体には手づくり感のあるアーティスティックな雰囲気がただよっているのだとか。
マンハッタン=銀座・表参道
ブルックリン=吉祥寺・下北沢
といったイメージでしょうか。
ブルックリンでは室内のインテリアも、手づくりや素材感が大切にされています。流行に流されず、古いものを大切にしながら、自分の感性を信じてコーディネート。なかでも重視すべきは、素材のセレクトです。
・ヴィンテージ感
・無骨
・素材感
この3つを意識しながら、ブルックリンスタイルのインテリアにぴったりの素材を選んでみましょう。
ブルックリンスタイルのインテリアを演出するアイテムたち
1〈アンティーク煉瓦〉でブルックリンスタイルのインテリア
ブルックリンスタイルと言えば…というほどのマストアイテムが、こちらのアンティーク煉瓦。歴史を刻んできた煉瓦に趣を感じさせ、そこに心地よさをプラス…。というのが、ブルックリンスタイルのコンセプトです。
こちらのお住まいは、ロフトアパートメントをイメージしてリノベーションしています。キッチンの壁にはもちろんアンティーク煉瓦。コーナーに貼り〈太い柱〉のような存在感を演出しました。空気感をぐっと変えています。
ただし、アンティーク煉瓦を使うにはコツが必要。狭いスペースに、存在感たっぷりのアンティーク煉瓦を使いすぎると、重すぎる印象になってしまいます。白い壁やすっきりとした素材を取り入れながら煉瓦の面積を調整し、”過ごしやすい”ブルックリンスタイルのインテリアをつくってみましょう。
2〈古材〉でブルックリンスタイルのインテリア
ブルックリンスタイルのインテリアを目指すなら、アンティーク煉瓦と同じくらい欠かせないのが、古材です。古材には実際に建設現場で足場として使われていた古材と、エイジング加工を施した古材があります。いずれもざっくりとした風合いが、ラフな心地よさを演出してくれます。
こちらは、キッチンとお子さまのスタディースペースの間に設けたデスクカウンターです。デスクと吊り戸棚は、古材を使用。壁のアンティーク煉瓦ともマッチしていて、より本格的なブルックリンスタイルに。
ここではお子さまが食事をしたり、奥さまがPCをしたり、アイロンをかけたり…用途はさまざま。ちょっとしたスペースですが、古材を使うことで、ぐっとラフさがアップ。くつろげるブルックリンスタイルのインテリアに変わりました。
ただし、古材もアンティーク煉瓦と同様、インパクトが強いです。全体のバランスを見ながら配分に気をつけましょう。
3〈インダストリアルな階段〉でブルックリンスタイルのインテリア
アンティーク煉瓦や古材を使った、ラフなブルックリンスタイルのインテリア。それを引き締めるかのように空間を走り抜けるのは、黒皮鉄のスケルトン階段です。
かつては倉庫だった建物を、住まいにリノベーションしたロフトアパートにつきものの、鉄骨階段。無骨でそっけなく、ちょっとくらい乱暴に上り下りしても何でもないよう、頑丈につくられたいます。そういった無骨な階段をそのまま使うのが、ブルックリンスタイルです。
とは言っても、日本で実際に倉庫や工場を住まいにリノベーションするチャンスは少ないですよね。そこでこちらのお住まいは、新たにスケルトン階段を設けました。
黒いスチールがクール。ブルックリンスタイルにぴったりの階段ですが、今回使ったのは黒皮鉄。
黒皮鉄とは、形成時にできた黒い酸化皮膜(黒皮)をあえてそのまま残したもの。ふつうのスチールはこの皮膜をきれいにとってしまいます。しかし残すことで、表面にムラや傷が残り、スチールよりも無骨なイメージが生まれるのです。
もちろん、家具やライトなどでインダストリアルな雰囲気をつくるのもよいでしょう。どのアイテムや設備も「新しくつくった」のではなく、「昔からずっとここにある」という、いぶし銀のような風合い。これが、ブルックリンスタイルのインテリアのポイントです。
4〈フローリング〉でブルックリンスタイルのインテリア
ここまでお読みいただくと、ブルックリンスタイルのインテリアとは? が、つかめてきたかと思います。では、もう少し頑張ってブルックリンスタイルをつくり込んでみましょう。
先ほど「ブルックリンスタイルのインテリアに、アンティーク煉瓦はマスト」とお伝えしました。しかし、壁は経年しているのに、フローリングがピカピカだとちょっと残念。できれば、経年変化のある無垢のフローリングを取り入れたいですね。
本格的にブルックリンスタイルを極めたいならちょっとアレンジしたフローリングを。
もちろんエイジング加工のフローリングも人気ですが、今回おすすめしたいのは浮造り(うづくり)加工。たとえばこちらのお住まい。ナラ材に浮造り加工を施したフローリングを使用しています。
浮造り加工とは、フローリングの表面をこすり、木の木目を浮き上がらせる加工方法のこと。表面に凹凸ができ、足ざわりが心地よいのが特徴です。素材感が深まるだけでなく、経年すると凸部分の色が濃くなり、何とも言えない風合いが生まれます。光の当たり具合や、使用頻度などそれぞれのご家庭の過ごし方によって、経年にオリジナリティが出てくるのもたのしみです。
まとめ
いかがでしょうか。
・アンティーク煉瓦を使う
・古材を使う
・インダストリアルな階段をつくる(ライトや家具でも可)
・エイジング、もしくは浮造り加工のフローリング
ブルックリンスタイルのインテリアをつくるなら、これらを意識して仕上げの素材や家具を選んでみてください。まずはブルックリンスタイルのインテリアを体感できるカフェなどで、空気感を感じてみるのもアリかもしれません。
注意したいのは、あまりラフになりすぎないように素材の面積を考えること。たとえば、壁一面にヴィンテージ煉瓦や古材を使うのではなく、白い壁やすっきりとした木材を使ってバランスをとるほうが、飽きがこないし、過ごしやすくなります。
お洒落=過ごしやすい、とは限りません。「暮らし」をイメージしながら、ほどよくブルックリンスタイルのインテリアを取り入れるのがベストかと思います。
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