「あーっ!キッチンがぐちゃぐちゃ!」
なんて、イライラしてしまうことありませんか? リビングから丸見えの対面キッチン、片付けられない自分に自己嫌悪…。しかし、悪いのはあなたの片付け方ではありません。
収納がイマイチなのです。
対面キッチンの収納は、お持ちのモノ、家事のやり方に合わせて計画すれば、ラクに片付けができるはず。生活感の出やすいオープンの対面キッチンでも、いつもすっきりとした状態をキープできます。とにかく対面キッチンの収納は、最初のプランが肝心なのです。
では、これから対面キッチンの収納実例を、リフォーム実例とともにご紹介します。これからリフォームする方は、ぜひ参考にしてみてください。
あなたにぴったりなのは? 対面キッチン収納の4つのタイプ
〈1〉大容量なのに目立たない、壁面収納
対面キッチンの背面は、天井まで届く大きな壁面収納。よく使う冷蔵庫やオーブンといった家電製品もふくめて全部引き戸で覆ってしまえば、生活感はゼロ。ただし、「飲み物をとり出しやすいよう、冷蔵庫は外に出しておきたい」という方もいます。こちらは好みの問題のなので、お好きにどうぞ。
いずれにしても、壁一面まるまる収納という贅沢さ。料理中でも、キッチンからほとんど移動せず、引き戸を開けるだけでモノを取り出せるという手軽さもメリットです。ちなみに、料理中はほぼ開けっ放しで、家事が終わったら最後にぴしーっと閉める、という方が多いとか。急な来客があったら、カウンターの上のモノをさ_っと入れて、引き戸をすーっと閉めればOK。「いらっしゃい」と、そつない顔でお迎えできます。
実はこちらのキッチン収納、右側に洗濯機スペースまであります。料理をしながら洗濯したりと、キッチンで家事の6割ができてしまいます。恐ろしく効率的な収納計画です。
〈壁面収納のメリット〉
・家電も収納できる
・壁のように存在感がない
・キッチンからの移動が少ない
〈2〉食器もすっきりと整頓できるカウンター収納
「あら、こんなの持ってたかしら?」
気がつけば収納が足りなくなってしまうのが、サラージョ(お皿女)の奥さま。「12客セットの小鉢なんて、大名でもないのにいつ使うんですか!」と突っ込みたくなりますが、柿衛門の名作だったりするため、うかつに捨てろとは言えません。
それならせめて、どこに何があるかわかりやすいように整理しましょう。そんなときオススメなのが、こちのようなカウンター収納。引き出しなので、〈奥のお皿も取り出しやすい〉というメリットがあります。
さらに、カウンターを作業台として使ったり、小物を置いたり、季節の花を生けたりしてたのしむことも可能。カウンター収納は、対面キッチンのゆとりを感じさせるのにおすすめです。
こちらの実例は、冷蔵庫はオープンなものの、リビングから見えない位置にレイアウトしています。カウンター収納と併せてキッチン全体の収納を見直し、生活感のない空間に仕上げてみてはいかがでしょう。
〈カウンター収納のメリット〉
・食器などを整理しやすい
・作業台として使える
・飾り棚として使える
〈3〉食品も道具もまとめて収納、パントリー
対面キッチンの収納で悩み出すと、やたら気になってくるのがウォークインのパントリー。雑誌などで見かけますが、ウォークインクロゼットと同じら主婦の心をそそるものがあります。
パントリーのメリットは、食材の買い置きができ、しかもキッチンのモノを減らせること。すっきりとしたキッチンをキープできそうです。
こちらの実例は、フルフラットの対面キッチンの見通しを活かすため、あえて吊り戸棚を設けずサイドにパントリーを設置。いつも使うキッチン用品はカウンター収納へ、食品のストックやあまり使わない土鍋や蒸し器などは、パントリーに入れておきましょう。
たくさんの食料をストックでき、ついでにレンジなどもこちらに配置すれば、生活感は完全にシャットアウト。窓から自然光を取り入れ、換気扇を設けて通気性をアップ。食品や食器をしまうパントリーだからこそ、清潔感にもこだわりたいものです。
ちなみに、玄関~パントリー~キッチンをひとつながりにしたレイアウトもおすすめです。買ったお肉をさっと冷蔵庫に入れたり、通り抜けをしたり、忙しい主婦には何かと便利な動線です。
〈パントリーのメリット〉
・抜群の大容量
・食材の買い置きができる
・キッチンがすっきり見える
〈4〉たくさんの食器やお鍋は、ミニパントリーに
「壁面収納じゃ足りないけど、パントリーだと大きすぎる」という場合。…むずかしいですね。下手に大きなパントリーを設けると、キッチンが狭くなってしまいます。こういったときは、ミニサイズのパントリーがおすすめです。
対面キッチンの背面に鎮座する、大きな箱。その内側は、小さなパントリーとなっています。キッチンからの移動距離が少なく、さらにドアを設けていないため、料理中でも出入りがスムーズ。大切な食器や、お気に入りのキッチン用品も一目瞭然です。
大切な食器にホコリが着かないよう、天井で囲いつつ、明るさを確保するために一部を開口しています。ライトを付けると、キッチンに大きな箱が浮かんでいるようなイメージに。
収納量だけでなく、使い勝手やデザイン性も考慮したミニパントリー。こちらを使う奥さまの持ち物や、家事の動線を細かく理解しながら計画されています。
〈ミニパントリーのメリット〉
・動線が少ない
・出入りがスムーズ
・大きなパントリーほど場所をとらない
まとめ
いかがでしょうか。
キッチン収納は、〈収納するモノの量〉〈どこまで隠したいか〉〈どのように使いたいか〉〈キッチンスペースの広さ〉などから選んでいきます。
つまりあなたが”どのようにしたいか”が一番大切。
・冷蔵庫も食品もまとめてかくし、生活感をなくしたい→→→壁面収納
・ある程度の収納は欲しいけど、作業台や飾り棚もほしい→→→カウンター収納
・とにかく食品のストックが多い→→→パントリー
・食器やフライパン、キッチン用品を見やすく収納したい→→→ミニパントリー
持ち物や暮らしをしっかりと見直し、ご自身にはどの収納タイプが合っているかを考えてみましょう。
ご自身では「パントリーがないと」と思っていたけど、パントリーを設けるためには、ある程度のスペースが必要です。案外モノが少ない場合はパントリーではなく、カウンター収納で十分なケースも。
「どのタイプにしたらいいか、わからない!」という場合は、リフォーム会社などプロに相談してみるのも一つの手。私たち素人には思いつかないような、画期的な収納アイデアを提案してくれます。