「そもそも軽量鉄骨って何だろう?」「リフォームでどんなふうにできるの?」「軽量鉄骨の音漏れが気になる」なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、軽量鉄骨についてわかりやすく丁寧に解説。軽量鉄骨の住まいを買うべきか…。軽量鉄骨をリフォームすべきか…。
読み終えたときは、すべてがクリアになっているはすです!
(この記事の所要時間:5分)
(作成日2018.04.20/更新日2020.12.17)
軽量鉄骨とは?
軽量鉄骨とは、厚さ6mm以下の鋼材でつくられた鉄骨のこと。(厚さ6mm以上になると重量鉄骨)。軽量鉄骨の家は、こうした“薄い”鉄骨を使って建てられているのです。たとえば木造なら柱・梁が木で組まれるところ、軽量鉄骨だと鉄骨に。
耐用年数は木造・RC・重量鉄骨よりも短め!でも実際の寿命はもっと長い
それぞれの構造の耐用年数は国税庁によって決められています。軽量鉄骨の耐用年数は、他の構造と比べるとやや短めに設定されていることが気になりますね。
軽量鉄骨 (鉄骨の厚さ3mm以下)19年/(厚さ3~4mm以下)27年
重量鉄骨 34年
木造 22年
RC(鉄筋コンクリート造)47年
ちなみにダイワハウス、セキスイハイム、パナホーム、ミサワホーム、積水ハイムといった大手ハウスメーカーの軽量鉄骨なら大丈夫…というわけではありません。例外なく19年とされています。
ここでちょっと注意したいのが、〈耐用年数は建物の寿命ではない〉ということ。耐用年数とは、あくまで税務上で必要な減価償却用の数字に過ぎません。軽量鉄骨でもしっかりとメンテナンスを行えば、かなり寿命を伸ばせます。
大手ハウスメーカーなら品質が安定、メンテナンス次第で100年暮らせる
軽量鉄骨の住宅を供給するのは、ほとんどがハウスメーカー。大和ハウス、積水ハウス、セキスイハイム、パナホーム、ミサワホームなど、大手が手がけています。軽量鉄骨は木造住宅と違い、事前に部材を工場で生産するため品質が安定。さらに、工事もスムーズで、新築時に工期を短縮しやすいという特徴があります。
もちろんデメリットも。木造のように燃えたり、シロアリが発生したり…という心配はないけれど、火事になると柱が曲がったり、雨漏りで錆びたりすることがあります。でもしっかり耐火被覆や防錆処理を行っていれば問題ナシ。「メンテナンスが行き届いていれば、軽量鉄骨でも100年以上は持つ」と言われているくらいです。
軽量鉄骨は外観から判別できる
「うちは軽量鉄骨だった気がするけど、わからない…」という方もいらっしゃるかもしれません。一番シンプルな見分け方は、外観から判断すること。専門家じゃなくても構造を判別する方法があります。たとえば、
2階建ての三角屋根→→→ 90%の確立で木造
続いて
屋根がフラットで外壁に60cmほどの幅のパネルが張ってある→→→ 重量鉄骨
屋根がフラットで外壁にパネルがない→→→RC(鉄筋コンクリート)
そしていよいよ軽量鉄骨にはどんな特徴が? となりますよね。残念ですが…軽量鉄骨はRCや重量鉄骨のように、外観から見分けることがとてもむずかしいのです。強いて言うなら
2階建てのフラットな屋根→→→ 軽量鉄骨の可能性がある
2階建ての三角屋根で、木造じゃない→→→ 軽量鉄骨の可能性がある
ということくらいでしょうか。あくまで外観からは「軽量鉄骨かもしれない…」と”見当をつける”程度。軽量鉄骨かどうかを確実に知りたいなら、リフォーム会社などプロに聞きましょう。
〈デメリットもあり〉木造よりも音漏れが気になる&RCよりも間取りが制限
軽量鉄骨造のデメリットとしては、以下の2点が考えられます。
〈音漏れが気になることも〉
木造住宅が音に弱いことは知られています。しかし軽量鉄骨も木造と同じか、あるいは場合によっては「木造よりも音が響く」と言われることも。金属は振動が伝わりやすいのかもしれません。これは軽量鉄骨のデメリットの1つです。
〈間取りが制限されることも〉
軽量鉄骨は、壁にブレース(筋交い)が入っていることも珍しくありません。構造上ブレースは撤去できないため、ご希望の間取りにできないことがあります。
ここまで読んで、「なーんだ。軽量鉄骨の家を買おうと思ったけどやめようかな…」なんて思った方。弱気にならないでください。次に、軽量鉄骨のデメリットを解消する方法を次でご紹介します。
軽量鉄骨リフォームで、デメリットをすべて解消&理想の住まいに
〈お悩み1〉軽量鉄骨の音漏れがやっぱり気になる
〈解決〉リフォームで防音対策
軽量鉄骨にお住まいの方から「2階の足音が響く」といったお悩みを聞くことがあります。この場合は、リフォーム時に床を二重にしたり、バーチクルボードといった防音材を入れるなどして、床の防音性を高めることができます。
「隣の子供部屋の声が響いて眠れない」というときも同様に、壁を二重にしたり、防音材を入れるなどして対策。
また、軽量鉄骨の騒音対策として”間取りの工夫”が重要です。たとえば1階のリビングや寝室の真上にトイレやバスルームを配置しない、など。とくに二世帯住宅の場合は、最大限に配慮しましょう。
排水の音が気になるなら、排水管に防音材を巻いたり、屋外に出したりといった方法も。防音対策の方法はいくらでもあるため、「音が気になる」という場合はリフォーム会社に相談してみましょう。
軽量鉄骨リフォームでは音漏れに配慮してプランニング・工事することが大切です。
〈お悩み2〉間取りが制限される
〈解決〉プランを工夫
ブレースのある軽量鉄骨の家は、間取り変更がむずかしい。否定はできませんが、プランの工夫次第で理想の間取りに近づけることはできます。
たとえばリビングを広くしたいなら、ブレースをあらわしにして抜け感をつくるだけで、ぐっと開放感が生まれます。
また、既存の間取りを活かしながらレイアウトを変えると、壁を抜くことなく理想の住まいになることも。いずれにしても、リフォーム会社のアイデア次第でいかようにもなるのです。そのためには、軽量鉄骨のリフォーム経験の多い会社に依頼することがマストです。
まとめ
軽量鉄骨についてご紹介しました。
●軽量鉄骨の仕組み
●木造・RC・重量鉄骨と比較した耐用年数
●ハウスメーカーの軽量鉄骨の耐用年数
●軽量鉄骨の見分け方
●軽量鉄骨のデメリット
●
●軽量鉄骨リフォームでできること
薄い鋼材で骨組みをつくる軽量鉄骨は、音やサビや間取りの制限といった問題をクリアできれば、素敵な家に生まれ変わるポテンシャルを持っています。
だからこそ、リフォームでデメリットを解消することが大切。しっかりとメンテナンスを行えば「100年以上持つ」と言われている軽量鉄骨です。まだまだ使える状態なら、できるだけ壊さず、活かすことを考えたいですね。
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