無垢のフローリングや珪藻土・漆喰の壁など、自然素材を使った空間づくりが人気です。しかし、「お洒落だから」「かっこいいから」なんていう理由だけで自然素材を選ぶのは、すごーくもったいない。
さまざまな種類がある自然素材には、それぞれ「カッコよさ」「エコ」「身体へのやさしさ」があるからです。
素材感が伝わりやすい自然素材だけに、選び方を間違えてしまうと、イメージとかけ離れた空間になってしまいます。
ここでは、自然素材の選ぶときのコツをご紹介します。センスがよくて、心地もよい。自然素材を使って、そんな住まいをつくってみましょう。
自然素材を空間イメージに合わせて選ぶ
リフォームのときに無垢のフローリングをご希望になる方は多いです。しかし、樹種によってイメージがまったく変わるため「どのようなイメージにしたいのか」という視点から、自然素材を選ぶことが大切です。
こちらの写真は、ヨーロピアンオークです。上品かつ肌ざわりの大変よい素材ですが、こちらはさらにスプーンカットを施し、よりやわらかな雰囲気を演出しています。白い漆喰や、素材感のある珪藻土の壁によく馴染み、シンプルモダンの雰囲気を演出。一方、ミモザなどは色が濃く、木目もかなりはっきりとあらわれているため、モダンな印象を演出することができます。こちらはインテリアの主役になるような自然素材です。
ゲストを迎えるリビングや玄関は、落ち着いた木目のフローリングを使用。プライベートの寝室などには個性的なフローリング張る。このように、過ごし方やつくりたい雰囲気によって自然素材を使い分けるのも有効です。
無垢のフローリングは、デザイン性と心地よさを兼ね備えた素材と言えますね。
自然素材を快適性から選ぶ
自然素材は化学物質を発生しないため、シックハウス症候群にも有効です。
たとえば、ジョリパットはホルムアルデヒトの放出量が非常に少ないと言われています。壁などに使用すると、室内のホルムアルデヒトも吸収。さらに、乾燥時には水分を放出し、湿気が多い季節には水分を吸収するといった調湿機能があるため、夏も冬も心地よく過ごせそうです。校倉塗りという方法で仕上げたジョリパットなら、空間のアクセントにも。間接照明で凹凸が浮かび上がり、やさしい雰囲気を演出してくれます。
クロスよりも質感豊かで、まさに一石二鳥です。
自然素材をパッシブデザインの視点から選ぶ
暑いとついついエアコンのスイッチに手が伸びてしまいます。家庭で使用する電力量の4分の1は、なんとエアコン。地球環境や電気代のことを考えると、できれば使用を控えたいものですね。
ところで、パッシブデザインという言葉を聞いたことがありますか?
建物の構造や素材によって、太陽光や熱、空気の流れをコントロールし、エアコンなどをできるだけ使わずに過ごせるようにする空間設計のことです。夏は風が涼しさを運び、冬は太陽がぬくもりを運んでくれる。かなり原始的な暮らしが現代で可能になるんです。エアコンや暖房の使用量が減るため、当然、電気代がお安くなります。それだけでなく、「エアコンを使わないから体調がよくなった気がする」なんて方も。地球にもやさしいし、身体にもお財布にもやさしい。これこそ、自然素材の魅力を最大限に活かした住まいだと思いませんか?
リフォームでも、パッシブデザインを取り入れることができます。
おわりに
いかがでしょう。自然素材の魅力をわかっていただけましたか?
パッシブデザインに欠かせないのが、自然素材。調湿効果や断熱・保温効果のある自然素材を使うことでより自然エネルギーを活かすことができます。役割を終えたときには土に還ることも自然素材の魅力。最後まで地球にも人にもやさしいようですね。
「自然素材をどのように取り入れればいいかわからない」という方は
・空間のテイストに合わせて選ぶ
・性能から選ぶ
・地球環境から選ぶ
以上の3つの観点に優先順位をつけ、お気に入りの自然素材を見つけてみましょう。