近年注目を集めている「アウトドアリビング」、庭やバルコニー・テラスを室内の延長としてゆるやかに繋げた「第2のリビング」です。
屋外と屋内に一体感を持たせることで、空間に伸びやかな広がりをもたらします。
アウトドアリビングの魅力・メリットとは
アウトドアリビングのメリットといえば、食事や読書はもちろん、屋内ではできない楽しみ方がいくつもあること。
バーベキューパーティーを開いたり、ビニールプールを置いたり、テントを張ってキャンプ気分を味わうことだってできます。
アウトドアリビングのデメリット・注意点
アウトドアリビングに採用されることが多い「ウッドデッキ」。木材の自然で優しい質感が魅力ですが、美しい風合いを保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスの間隔を伸ばすためには、耐久性の高い樹種の木材を選ぶのがおすすめです。また、日頃からこまめに掃除することで寿命を伸ばすことができます。
また、アウトドアリビングは、室内の延長として気兼ねなく過ごせる空間にしたいもの。特に隣家との距離が近い都市部の住まいでは、プライバシーを守る工夫が大切です。ルーバーなど目隠しを設置すれば、洗濯物を干す際にも人目が気にならず便利です。
アウトドアリビングの施工例と間取り
マンションのアウトドアリビング事例
都心の中古マンションのリノベーションで、殺風景だったバルコニーにウッドデッキを設置したアウトドアリビングの事例です。リビングの天井や家具とウッドデッキの色をコーディネートし、つながりを感じられる空間となっています。
夜に植栽を美しく浮かび上がらせるスポットライトの配線は、ウッドデッキの下に隠してすっきりと。花火大会の日には多くのお友達が訪れ、その居心地の良さになかなか帰りたがらないのだとか。
一戸建ての庭のアウトドアリビング事例
住宅街の一戸建てを、3人のお子さまが楽しめる住まいにリノベーションしました。広い庭にはレッドシダーを白とグレーに塗装したウッドデッキを設置して、爽やかなアウトドアリビングに。
ウッドデッキは気軽に座れるよう床の段差に変化をつけ、ソファでゆったりくつろいだりハンモックに揺られたりと、安心して子どもを遊ばせられる空間です。近隣からの視線を遮るよう配したウッドフェンスは、床の高さに応じて変化を付けています。
一戸建てのテラスのアウトドアリビング事例
都心の一戸建てで、自然素材をふんだんに取り入れたリノベーション事例です。2階のリビング・ダイニング・キッチンを区切る壁を移動して、広々としたLDKに。テラスに面したLDKの窓は全開放サッシに変え、大きな開口部が屋外と屋内をゆるやかに繋げます。
広々としたテラスは無機質なコンクリート床でしたが、ウッドデッキを設置して木の質感が美しいアウトドアリビングに生まれ変わりました。ウッドフェンスで近隣からの視線にも配慮しており、安心してホームパーティを開くことができます。
天気が悪い日は?アウトドアリビングの雨対策
アウトドアリビングにソファやテーブルを設置すれば、贅沢なくつろぎの空間が生まれます。でも、雨の日が多い日本で屋外に家具を置いても大丈夫なのでしょうか?
一般的な家具は、当然ながら屋内で使用することを前提に作られていますから、風雨や紫外線に晒される環境では短期間に劣化が進んでしまうケースが多いです。そのためアウトドアリビングには、専用の家具を設置しましょう。人気メーカーからも、全天候対応タイプの製品が販売されています。
カッシーナのLCシリーズのアウトドア家具
ル・コルビジェによる定番ソファ、LC-シリーズのアウトドア仕様です。上品に光るフレームはステンレススティールを磨き上げ、腐食加工を施したもの。
空洞構造のクッションは速乾性が高く、ファブリックに高耐久性のPVCコーティングもしくは防汚アクリル繊維を使用することで、雨や紫外線に晒される環境に対応しています。
パオラ・レンティの色鮮やかなアウトドア家具
1994年、グラフィックデザイナーのパオラ・レンティにより設立された家具・ラグのブランドです。2003年よりアウトドア家具を開始。
自然に映える鮮やかな色調と、登山用ロープからヒントを得たという高耐久性の新素材が特徴で、屋外・屋内の垣根を超えたエレガントな家具を発表し続けています。
アウトドアリビングにテラス屋根を設置する
アウトドアリビングにテラス屋根を設置すれば、雨や日差し避けのほか、より高いプライベート感を演出する効果も期待できます。パーゴラの上に、必要に応じて取り外しができるオーニング(布製の覆い)を設置するのも良いでしょう。
アウトドアリビングをDIYする方法
アウトドアリビングのDIYに挑戦する人も多いようです。床に置くだけのウッドパネルやラティス付きプランターなど、市販のガーデン用品を設置すれば、比較的手軽に取り入れることができます。
リノベーションで本格的なアウトドアリビングを導入するか迷っている場合に、まずDIYで雰囲気をお試ししてみるのも良いかもしれませんね。
ただしマンションによっては、バルコニーやテラスへのパネルの設置を禁止しているケースもあるので、事前に管理規約を確認しましょう。
まとめ
生活に豊かな潤いをもたらしてくれるアウトドアリビング。
・第2のリビングとして自由に活用できる
・プライバシーを守るために近隣からの視線対策も大切
・アウトドアリビングでは屋外専用の家具を使用する
・雨対策にテラス屋根を設置する選択肢も
このようなポイントを押さえておけば、快適なくつろぎの空間が生まれるはずです。自然を身近に感じられるアウトドアリビングを、住まいに取り入れてみませんか。
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