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実は損してる!? 仲介手数料無料のからくり

不動産屋さんの「仲介手数料を半額にします」「ゼロにします」なんてうたい文句。最近よく聞きますよね。でも、ちょっと待ってください。

3000万円の物件を買うとしたら、仲介手数料は約100万円。そんな大金を値引きしても、不動産屋さんはやっていけるんですか?

もちろん、売り主からのみ仲介手数料をもらうことで、買い主の仲介手数料を無料にしている不動産屋さんはあります。そのほか、少ない店舗で運営したり、人員コストを削減することで、仲介手数料無料・半額を実現しているところも。

このように正当な理由があるなら納得できます。でも、そうじゃない場合は、どうやってるの?何か裏があるんじゃないの? 今回は、仲介手数料無料のからくりについてご紹介します。

仲介手数料のからくりと、無料・半額のデメリット

そもそも仲介手数料は”上限”が決まっている

物件を売買するとき、当然のように請求され、当然のようにみなさんが支払っている仲介手数料。この金額は、〈宅地建物取引業法〉に基づいて決められています。しかし、決められているのは”上限”だけ。
400万円以上の物件の場合は、売買価格×3.18%+6万4800円=仲介手数料の上限。

ほとんどの不動産屋さんは、上限いっぱいに仲介手数料を請求しています。そんなにMAXで請求しなくてもいいじゃない!と文句を言いたくなりますが、不動産屋さんはボランティアではないので、まあ当然と言えるでしょう。
しかし、最近、この貰えるものをもらわない不動産屋さんが出てきました。これが”仲介手数料無料”や”半額”をうたう企業です。
 

仲介手数料無料・半額のからくりはこうなっていた

売り主から直接、売買を委託されている不動産屋さん。物件が売れれば、確実に売り主から仲介手数料を得ることができます。さらに、この物件の買い主を自社で見つけ、売買が成約すれば、買い主からも仲介手数料をもらうことができます。これが前回お伝えした二度美味しい「両手」(両方の手数料)です。

しかし、ここ数年で不動産業界がちょっと変わってきました。「もう欲張りません」と両手を諦める不動産屋さんが出てきたのです。”売り主から仲介手数料をもらい、買い主からは仲介手数料をもらわない”という、これまでの不動産の常識を覆すような”仲介手数料無料”ができ上がったわけです。
しかし、他の不動産屋さんが紹介している物件を買い主に紹介する場合、買い主から得られる仲介手数料だけが利益です。ここをゼロにすると、やっていけませんね。そこで仲介手数料を半額だけ貰うようにしているのです。

これが仲介手数料無料・半額のからくりです。
 

仲介手数料を値切ると、担当者はモチベーションがダウン?

「それならどの不動産屋さんでも仲介手数料は安くできるんじゃないの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

値切る人もいるでしょうね。でも、それって本当によいことなのでしょうか。

たとえば不動産屋さんは、物件の案内だけでなく、契約書の作成や、契約の手続き、重要事項説明書の作成、調査、住宅ローン手続き、決済立ち会いなどをしてくれます。これらの手数料が仲介手数料に含まれているのです。

仲介手数料を安くした不動産屋さんが、「仲介手数料をちょびっとしかもらっていません。契約書の作成と住宅ローンの手続きは自分でやってください」と言ったとしたら、困りますね。一応、満額払っても払わなくても義務は果たしてくれます。

しかし、不動産屋さんも人間です。はじめから「仲介手数料は無料です」とうたっているのならともかく、頑張って物件を探し、何件も紹介し、案内して、やっと決まりそう…というときになって「仲介手数料を安くしてくださいよ」なんて言われたら。「あれ?僕の仕事に満足していただけなかったのかな」と、しょぼーん。

モチベーションが一気に下がっちゃうそうです。
 

仲介手数料無料と同じくらい得する方法

仲介手数料=物件購入にかかる手間賃、ということがおわかりいただけたと思います。ですから、無理に値切ることはおすすめできません。
仲介手数料をきちんと払い、不動産屋さんに精一杯尽くしてもらい、何小のトラブルもなく物件を購入できたほうが、メリットが多いのではないでしょうか。たとえ売り主とのトラブルがあったとしても、きっとあなたの見方になってくれるはずです。

それでも「もう少し安くならないかな」と思ったら。
仲介手数料を値引きしてもらうのではなく、物件価格が安くなるように、不動産屋さんから売り主に交渉してもらいましょう。物件価格の端数分を安くしてもらうことで、仲介手数料が無料になったのと同じくらい得することもあります。

まとめ

いかがでしょうか。

〈仲介手数料無料(半額)=悪い不動産屋さん〉というわけでも、〈仲介手数料がかかる=悪い不動産屋さん〉というわけでもありません。

それぞれに理由があり、正当な金額を請求されているのであれば受け入れましょう。それに、仲介手数料を無料にできる物件は限られています。仲介手数料無料ばかりにとらわれていたら、選択肢が狭まり、なかなかよい物件に出会えません。「いいな」と思った物件が偶然、仲介手数料無料だったらラッキー、というくらいにしてておいたほうがよさそうです。

”仲介手数料が無料の物件”よりも”適正価格の気に入った物件”のほうが、はるかに満足度は高いはず。それだけはお忘れのないように。

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