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実家リフォームにかかる費用と贈与税とは?ビフォーアフター事例も

実家リフォームCRAFT #17062

「実家を譲り受けることになった」「実家で同居することになった」

親はまだ生きているけど実家で暮らすことになった…というケースはめずらしくはありません。しかし、ここでちょっと注意したいことが。

実家をリフォーム・リノベーションする場合は、贈与税がかかってしまうということです。今回はうっかりすると損してしまう「お金」と「税金」のお話です。

「実家リフォーム費用を誰が負担するか?」が〈贈与税〉に関わってくる

「親が全額負担してくれる」
「同居なので折半する」
「家をもらうので、子世帯が負担する」

ご家庭の事情によってリフォーム費用の負担はさまざまです。しかし実家のリフォーム・リノベーション費用を子世帯が負担する場合は、ちょっと注意が必要です。

親名義の実家のリフォーム費用を子世帯が110万円以上負担すると、「贈与した」とみなされ贈与税がかかってしまいます。たとえば1200万円のリフォーム費用を子が負担した場合、非課税枠110万円を引いた1090万円が贈与額の対象に。

「自分たちが住む家をリフォームしたら、なんで贈与になるんだ!」

なんてご立腹のお気持ち察します。次に、こんな場合の対処法をご紹介します。

(作成日2018.7.3 更新日2021.3.29)

〈贈与税〉を避けるには?

上記のような場合に、贈与税を避ける対策があります。その1つが『名義変更』です。

〈1〉子が実家を購入して、名義変更する

子どもが実家を購入する。これがわりとスタンダードな方法です。このとき、土地まで購入する必要はありません。建物だけ買えばよいのです。その建物も築年数が経っていれば、固定資産税評価が低くなっています。あるケースで言うと、30年前に3000万円で建てたご実家の現在の評価額は600万円ほどでした。子世帯はその金額で買い取ればよいのです。

それに、よほど新しい建物じゃない限りは、譲渡所得税も発生しません。築年数が経っているご実家であれば、こちらの方法がおすすめです。

〈2〉実家を親から贈与してもらって名義変更

実家を親から贈与してもらう…。それこそ贈与税がかかりそうな方法ではありますが、そして実際に贈与税はかかりますが、「思ったよりも贈与税が少ない」というケースがほとんどです。

古い建物は時価がかなり下がっている。

ここが大きなポイントです。たとえばご実家の建物の固定資産評価額が200万円だったとします。両親からのご実家の贈与を受けた場合、贈与税は10万円以下。不動産取得税や登録免許税がかかりますが「思ったより安い…」と感じる方がほとんどではないでしょうか。

このように、建物の固定資産評価額が贈与税に大きく関わってきます。ご自身で具体的な金額を出すのはむずかしいため、「うちは贈与税が発生するかも?」と思ったら、1人で迷わず(税理士さんとつながりがある)リフォーム会社に聞きましょう。より複雑な状況の場合は直接、税理士さんに相談したほうがよいでしょう。

〈3〉実家の建物が高額なときは、相続時精算課税を使う

もう1つのケース。「実家は1億かけて建てた。まだ新しいし、上ものだけでもかなりの値段がするはず…」という方はどすればよいのでしょうか?

そんなときは、2500万円までは非課税で財産贈与できる〈相続時精算課税〉という制度があります。こちらを利用すれば、建物の固定資産評価額が2500万円以下であれば贈与税はかかりません。そのかわり親が亡くなって相続が発生したら相続税として納税することになりますから、「税金の支払いを先延ばしにしたにすぎない」という考え方もできますが…。

費用をクリアできれば、あとはプランニングを心からたのしむ

晴れて税金の問題が解決したら、あとはプランニングをおもいっきり楽しんでください。どんな間取りにするか、デザインにするか、キッチンにするか…。あたらしい住まいをイメージするだけで、心がはずんできますね。

実際に、ご実家をリフォーム・リノベーションした事例をご紹介します。

実家リフォームの費用は?

実家リフォーム・リノベーションの費用は、「プランの内容」によって異なります。たとえば既存を活かせば費用を抑えることができますし、大掛かりな間取り変更とハイグレードな設備・仕様にこだわると高額になってしまいます。もちろん、リフォームする面積によっても変わってきます。

〈クラフトの実家リフォーム費用例〉
リフォーム面積:130㎡  3250万円
リフォーム面積:220㎡  5500万円

実家リフォームの費用をざっくりと知りたいときは、HPのリフォーム事例などを見て、ご実家の広さやリフォームでやりたいことに近い事例を見つけて参考にしましょう。場合によっては建て替えた方が良いケースもあります。

実家リフォームのビフォーアフター事例1

■BEFORE

ご両親から譲りうけた都内のご実家。築17年ということもあり、フローリングやクロスは劣化、設備も古くなっていました。またリビングとダイニングが分かれているなど、親子3人の暮らしに合わない間取り。理想的なデザインにリフォーム・リノベーションすることにしました。


■AFTER

親子3人で暮らすため、都内のご実家をリフォーム・リノベーションしたケース。築17年のツーバイフォー(2×4)住宅のため、間取り変更には制限があったものの、ご希望のLDKや広々としたWICを叶えています。

ご両親の愛着や、ご主人さまの幼い頃の思い出が詰まったご実家。欧米のホテルのようなエレガントなデザインに生まれ変わり、これからも新しい家族に受け継がれていきます。

実家リフォームのビフォーアフター事例2

■BEFORE

もともと材木屋さんを営んでいたご実家。1階の倉庫部分を住まいに変え、二世帯同居することにしました。ダイナミックな天井高の大空間を活かし、モダンな空間にリフォーム・リノベーションすることに。

■AFTER

実家リフォームCRAFT #17062

鉄骨造のため開放感あふれる間取りにできる反面、構造上なくせない柱やブレース(筋交い)が。そこでブレースを塗装して空間になじませつつ、ダイニングとリビングをゆるやかに仕切る役割を持たせることに。また倉庫を住居に用途変更するにあたり、キッチンや浴室を新設。断熱工事も行いました。

倉庫だった頃の面影をまったく感じさせないほどホテルライクな住まいに生まれ変わっています。

まとめ

実家リフォームの費用と贈与税についてご紹介しました。

実家のリフォームは、贈与税などが発生する可能性があります。税務署は「こうすれば安くなりますよ」なんて教えてくれず、知らなければ不利になることばかり。

ご実家をリフォームするなら、かならず知識のあるリフォーム会社にに相談し、できるだけ損をしない方法を見つけましょう。そのために、税理士事務所があるのですから。

この記事は、〈税理士法人横須賀・久保田〉さんご監修のもと作成しました。

※バックナンバー※
不動産で相続税対策〈1〉リノベーションが節税対策に?
不動産で相続税対策〈2〉親が60歳になったら…
不動産で相続税対策〈3〉不動産の選び方・落とし穴

実家リフォーム・リノベーションの事例をたくさんご紹介しています水回りや玄関を新たに設けた事例、うまく共有して居住スペースを広げた事例など。ぜひ参考にしてください。

二世帯リフォーム

クラフトのパートナー税理士法人です。開設以来60年、税務から不動産まで総合的なコンサルティングを提供。贈与税や相続税について、わかりやすく丁寧に教えてくれます。

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