あたたかさ・ぬくもりを感じさせてくれる板張りの天井。リノベーションでも、リビングや寝室の天井を板張りにすると、想像以上の効果があらわれます。
使う木材や張り方によって、イメージはさまざま。8つの事例から、お気に入りのイメージを見つけてみてください。
(作成日:2018.7.26 更新日:2021.2.12)
板張り天井の事例 1〈レッドシダーでダイナミックに〉
リビングの勾配天井は、圧倒的な開放感。この魅力を活かすため、天井をレッドシダーの板張りにしました。
レッドシダーは、よくウッドデッキなどに使われているハードな樹種です。1枚ごとに木目や節の模様がことなり、大らかな表情を見せてくれます。さらに赤褐色~淡黄色の濃淡があり、存在感も抜群です。自然素材ならではの魅力をたっぷりと発揮する樹種の1つです。
床のフローリングよりも明るい木をセレクトしたこともポイント。開放感を重視し、天井があまり重い印象にならないように配慮しました。
板張りの天井はときに「天井を低く見せる」こともありますが、ここまで天井が高いとかえって高さを強調します。
大きな窓と、レッドシダーの板張りの天井。別荘で過ごすようなリラックスした気分にさせてくれそうです。
板張り天井のリビング事例 2〈木目を変えてリズミカルに〉
リビングの天井には、通常下地に使うような合板を張り、明るくラフな印象に仕上げました。
合板の木目はデザイナーがしっかりとセレクト。正方形の合板を木目方向を縦横に並べ、空間にたのしげなリズムに。明るい木材を使っているため、天井の圧迫感はまったくありません。板張りの天井をくり抜くように開口した吹き抜けが、さらに開放感をアップ。
板張りの天井と鉄骨のスケルトン階段が、インテリアの主役となっています。
板張り天井のリビング事例 3〈ヴィテージ家具が似合うように〉
ヴィンテージ家具や小物が多数存在する家。
玄関~リビングにかけては、木の板を張りました。使用したのはサペリマホガニー。うねるような板目が美しく、深い飴色の家具や、重厚な石の壁に負けない存在感です。
石と木をふんだんに使った普遍的な空間。壁や天井が、長い時間をかけてコレクションしてきた家具の背景となり、その魅力を存分に引き出しています。
板張り天井のリビング事例 4〈勾配天井でモダンシックに〉
勾配天井にはレッドシダーの羽目板を張りました。ポイントは、天井に照明ボックスを埋め込んだこと。光源を見せず、照明ボックスの幅とレッドシダーの幅をそろえてクールな印象に。
先ほどご紹介した「板張り天井の事例 1〈レッドシダーでダイナミックに〉」の事例に比べると、モダンで落ち着いたイメージですね。同じ素材を使っても、張り方・見せ方によって随分と印象が変わることがわかります。
ちなみにエアコンは壁に埋め込み、フラットに。空間をシンプルに構成することで、板張り天井の存在を控えめに強調しています。シンプルすぎる空間に、重厚感を与えたいときにおすすめです。
板張り天井のリビング事例 5〈空間につながりを〉
空間にふぞろいな印象を与える下がり天井。あえてデザインの一部とするため、下がり天井部分に木を張りました。リビングの壁の一部にも同じ木を張り、L字に仕上げ、空間のアクセントとしたこともポイントです。
ダークブラウンのシックな木が、書斎のように落ち着いた空間にフィット。板張りの天井によって、こもったようなくつろぎが生まれています。
さらに階段ホールとLDKの間の間仕切りをガラスに替え、板張りの天井を連続させました。ガラス越しに天井のつながりが見え、階段ホールもリビングの一部のような広がりを感じます。
板張り天井のリビング事例 6〈木の色をそろえてやさしい印象に〉
こちらのリビングも、ダクトによる下がり天井がデメリットとなっていました。天井に凹凸があると、どうしてもすっきりしない印象が生まれてしまいますね。
そこで天井に明るい木の板を張り、間接照明を入れ、インテリアとして活かすことに。ゆったりとした波のような木目模様。間接照明からこぼれる光が、より趣深く見せています。
自然のぬくもりがたっぷりと伝わってくる、やさしい住まいとなりました。
板張り天井の寝室事例 7〈木に包まれて深い眠り〉
寝室の壁から天井にかけて、ゆるやかな曲線を描くように木の板を張りました。二列ごとに間接照明を入れ、他の照明は一切なしという潔さ。窓の外に広がる夜景がうそに思えるくらい、静寂に包まれた空間となっています。ベッドに横たわっていると、やがて深い眠りが訪れます。
コンパクトな寝室スペースを逆手にとったプランです。
明るいホワイトオークを使っているため、夜と一転して朝はさわやかなイメージ。窓から注ぐ朝の光が、明るい木にやさしく反射します。目覚めも気持ちがよさそうな寝室がとなっています。
板張り天井の寝室事例 8〈リゾートホテルのように〉
こちらも寝室の天井を板張りに。梁やエアコンのダクトによる天井の凹凸を隠すことが目的です。
使用したのは世界3大銘木の1つ、チーク。色合いと木目が美しく、昔からクイーンエリザベス2号など高級な施設に使われてきたことからも、品質のよさがうかがえますね。
こちらは正方形のパネルを、木目模様を縦横交互に並べています。壁にも同じチークを張り、ベッドヘッドのような趣に。リゾートホテルのような贅沢な空間となっています。
板張りの天井は、寝室など静かに過ごすスペースにおすすめです。
板張り天井は「癒し」を求めるスペースに採用
板張り天井はクロスに比べて費用が高いため、全室に取り入れるとかなりのコストがかかってしまいます。「それなら、どこを板張りにしたらいいの?」と思うかもしれませんが、
板張り天井にするなら、「くつろぎ」を求めるスペースにしましょう。
つまり事例でご紹介したように「リビング」「寝室」などを板張り天井にするのがおすすめです。ソファに座ったとき、ベッドに横たわったとき、ふと天井を見上げると木の木目が視界に入るとかなり癒されます。天井のような広い面積に気を使うだけで、思った以上に住まいがあたたかな雰囲気に。
まとめ
板張りの天井の施工例をご紹介しましたが、いかがでしょうか。
板張り天井のメリットとしては
・重厚で上質なイメージを与える
・こもった感じでくつろげる
・天井高を強調する
・梁やダクトの凹凸を隠す
などがあります。また板張りの天井には「コストが高くなる」「暗い印象になる」「開放感がなくなる」といったデメリットもあることを知っておきましょう。
もちろんプラン次第ではデメリットがメリットに変わります。「板張りの天井にしたいけど、それなりに開放感がほしい」という場合は、リノベーション会社に伝えてみましょう。天井を上げたり、明るい木材を使ったり、吹き抜けを設けたり。さまざまなアイデアでご希望を叶えてくれるはずです。
デザイン事例では、マンションや一戸建てのリノベーション事例を多数紹介しています。理想的な板張り天井の事例が見つかるかも?ぜひのぞいてみてください。