かつては「家を購入するなら新築に限る」という価値観が主流の時代がありました。
しかし近年、中古住宅に新たな価値を創造する「リノベーション」の概念が知られるようになったこともあり、積極的にリフォームを選択する人が増えています。
新築かリフォームか迷った場合は、どちらを選ぶべきなのでしょうか?
新築とリフォームの比較
新築とリフォーム、それぞれの大まかな流れと工期の目安を確認してみましょう。
●新築の流れ
・建物のプランニング
・仮住まいへの引越し
・既存の家を解体して更地にする
・着工
・竣工・引き渡し
・引越し(入居)
●大規模リフォームの流れ
・リフォームのプランニング
・仮住まいへの引越し
・構造躯体を残して解体する
・補強工事(必要に応じて)
・着工
・竣工・引き渡し
・引越し(入居)
●新築・リフォームの工期の目安
新築住宅の工期は建物の面積や構造によって異なりますが、40坪ほどの一戸建てであれば在来工法の木造2階建てで3〜4ヶ月程度、RC(鉄骨)造で5〜6ヶ月ほどが目安です。地盤改良・外構工事等の期間は含みません。
大規模リフォームの工期も床面積によって異なりますが、3〜5ヶ月ほどが目安です。こちらも補強工事等の期間は含みません。
新築とリフォーム、税金面の違い
新築とリフォームでは、毎年の固定資産税にどのような違いがあるのでしょうか。
●新築住宅の固定資産税
固定資産税は、不動産の価値を示す「固定資産税評価額」に対して1.4%の税率で課税されます。
建物の評価額は建築費用の70%ほどが目安です。
土地の評価額は国税庁によって定められた「路線価」から算出されます。
新築住宅の場合、建物に課税される固定資産税の減額措置があります。
一戸建ては建築後3年・マンションは5年、固定資産税額が1/2に。さらに長期優良住宅として認定を受けた場合は、一戸建てで5年・マンションで7年の減額期間となります。
また、建物の固定資産税評価額は3年ごとに見直しが行われ、築年数とともに下がっていきます。
●リフォーム住宅の固定資産税
つぎに、中古住宅をリフォームした場合の税金について確認してみましょう。
建物の固定資産税評価額は3年ごとに見直され、木造一戸建てであれば築20〜25年ほどで下限に達します。この場合の下限とは、当初の評価額の約20%です。
それでは、中古住宅をリフォームした場合は固定資産税評価額は上がってしまうのでしょうか?
床面積の変わる増築工事など、建築確認申請が必要となるリフォームの場合は、評価額が上がり、固定資産税が増額する可能性はあります。
通常のリフォームであれば、固定資産税評価額の変更はありません。
また、リフォーム工事が一定の要件を満たしていれば、固定資産税の減額措置が受けられます。
・省エネ・バリアフリー改修:1/3減額(適用期間:1年間)
・耐震改修:1/2減額(適用期間:1年間)
・重要避難経路沿いの建物の耐震改修:1/2減額(適用期間:2年間)
新築とリフォームの費用を比較
住宅金融支援機構による2016年のフラット35の利用者調査から、新築住宅の㎡(平米)あたりの平均単価を算出しました。
●新築住宅の費用
所有している土地に新築住宅を建設したケースの借入金額です(※)。
【全国平均】
㎡単価:約25.5万円
(住宅面積:129.4㎡ 建設費:3312.2万円)
【首都圏平均】
㎡単価:約28.4万円
(住宅面積:126.5㎡、建設費:3598.9万円)
この金額はあくまでも平均値です。建設費は住宅のグレードによっても大きく異なるため、ローコスト住宅であれば、㎡単価10〜15万円ほどに抑えられるケースもあります。
●リフォーム費用の目安
リフォームは既存の建物の状況や施工内容によって費用も大きく異なってくるため、単純な比較は難しいです。
ここでは、クラフトで全面リフォームを行った場合の費用の大まかな目安をご紹介します。
・マンション ㎡単価:15〜25万円
・木造2階建て ㎡単価:16〜26万円
・鉄骨造・RC造 ㎡単価:15〜26万円
新築とリフォームのメリット・デメリット
新築住宅とリフォームそれぞれについて、メリットとデメリットを確認してみましょう。
●新築住宅のメリット
・【間取りや設備が思い通りにできる】
ゼロから建設となるので、思い通りの間取りに設計できます。
●新築住宅のデメリット
・【コストがかかる】
リフォームに比べて建設費用が高めです。
古家付きの土地を購入して新築に建て替える場合は、解体費用が掛かります。
・【工期がかかる】
基礎工事からの建設となるため、40坪ほどの木造2階建てで3〜4ヶ月、RC(鉄骨)造で5〜6ヶ月ほどの工期がかかります。
●リフォームのメリット
・コストが抑えられる・エコロジー
意外とかさむ既存住宅の解体費用や処分費用を抑えられ、環境負荷も軽減することができます。
・【工期を短縮できる】
既存の建物を利用するため、新築に比べて工期を短縮することができます。
・【思い出の家に住み続けられる】
親が残してくれた家など、思い出が詰まった住まいに住み続けることができます。古い住宅ならではの立派な柱や梁を活かした家造りも可能です。
●リフォームのデメリット
・【間取り変更に制約がある可能性も】
建物の構造によっては、撤去できない壁や柱があり、間取り変更に制約が生じるケースもあります。
・【老朽化が進んでいると補強に費用がかかる】
建物の基礎や柱など、構造に関わる部分の老朽化や耐震性能の問題がある場合、工事費用がかさむ可能性があります。
まず初めに、建物の状態を調査し、補強工事が必要な場合はどれ位の費用が必要となるのかを把握しておくことが大切です。
新築とリフォームどっちを選ぶべき?
新築・リフォームそれぞれがおすすめのケースをまとめました。
●新築がおすすめのケース
・「マイホームは新築」というこだわりがある
・既存の建物の老朽化が進んでいて補強工事が高額になる見込みである
・既存の建物よりも大幅な増築をしたい
●リフォームがおすすめのケース
・既存の建物の状態が良い
・既存の建物の解体費用が高額(RC造など)
・土地に法律上の制約があり、新規に家を建てることができない
まとめ
新築とリフォームの特徴をご紹介しました。
どちらを選ぶと得なのかは、建物の状況や周辺環境、そこに住む人の生活スタイルや価値観によって異なるため、単純な比較は難しいものです。
クラフトはリフォームと新築どちらにも対応可能ですので、どちらにするか迷っている…という場合もぜひご相談下さい。
クラフトでは、リフォームプラン作成から資金計画までトータルにサポートいたします。新築かリフォームか迷ったらご相談ください。