「ビルに住んでる人なんてまわりにいない」
「ビルに住むって大変そう」
「リノベーションにお金がかかりそう」
おっしゃるとおり、”ビルに住む”ことはイメージしにくい。それゆえに、さまざまな不安があるかもしれません。しかしビル暮らしには、戸建てやマンションでは得られないメリットがあるのです。
〈ビルをリノベーションして住むのがオススメなタイプ〉を、事例とともにご紹介します。
ところで、我が家はビルですか?
ビルには、法律上の定義はありません。みなさんが何となく「ビルだ」と思えばそうですし、「違う」と思えば違う。でもややこしいので、ここではクラフト的なビルの〈定義〉をお伝えします。
・都心にある
・鉄骨造やRC造(木造以外)
・商業や事務所のために建てられた(住宅を目的としていない)
・3階以上
都心の狭小地でよく見られる、都市型住宅・縦長住居・縦の家・狭小住宅・3階建て住宅・4階建て住宅は、「ビル」ではなく「戸建て」です。
事例1〈両親からビルを相続した〉
「親から商業ビルを相続した」
親世代が建てたビルなら、築30年以上経っているケースがほとんどです。つまり見た目があきらかに古い。周辺の新築ビルに借り手をとられてしまい、年中〈テナント募集〉の看板を掲げているビルも珍しくありません。建て替えはコストがかかるし(RC造の建物は解体費・建築費が他の構造よりも高額)、このまま放っておくのももったいない。
こんなお悩みをお持ちの方は、ビルを住居にリノベーションするのがおすすめです。
最上階のフロアをご自宅に、下層階はこれまで通り賃貸に。建て替えの約1/2の費用で、新築のように生まれ変わります。都心に、”快適な住まい”と”価値ある商業ビル”のどちらも手に入れることができます。
事例2〈都心の真ん中に住みたい〉
ほとんどの商業ビル・オフィスビルは、都心に集中しています。たとえば日本橋や神田などには、雑居ビルがたくさんありますよね。こんな街で暮らしたら、通勤・通学・買物がかなり便利になります。
こちらは、中央区の4階建てのビルを購入したNさんの事例。賃貸オフィス兼住居として使われていました。10坪ほどの小さなビルは、1階をガレージ、2〜4階を住居に。3方をビルに囲まれているため、窓を大きくして採光を確保。スケルトン階段で異なるフロアにつながりを持たせ、開放感を与えています。
劇的に変わったのは、休日の過ごし方。日本橋までお散歩したり、銀座にランチに出かけたり。
ライフスタイルを楽しみたい方は、雑居ビルやオフィスビルを住居にリノベーションするのもおすすめです。
事例3〈家賃収入を得たい〉
こちらも、ご実家から相続した築30年のビルです。1階では事業を営み、その上のフロアは社員寮として使われていました。事業をやめてから長い間、空家だったとか。RC造で躯体がしっかりしていたことから、オーナーさんはリノベーションして活かすことに決めました。賃貸併用住宅へのリノベーションです。
エリア周辺のターゲットのニーズを調べた上で、賃貸住居は収納たっぷり、シンプルモダンな暮らしやすい空間に仕上げました。通りに面した1階は、広々としたテナントスペースに。賃貸住居もテナント部分も、すぐに入居者が決まったそうです。
すでにテナントが入っている商業ビルを購入(オーナーチェンジ)し、最上階をご自身の住まいにリノベーションする方法もおすすめです。
事例4〈アウトドアリビングが欲しい〉
「アウトドアリビングが欲しい」
昨今のアウトドアブームや、TVCMの影響もあり、アウトドアリビングのニーズが高まっています。ここでお伝えしたいのが、ビルはアウトドアリビング向きだということ。
都心の建物密集地にあっても、ビルの屋上のアウトドアリビングなら周囲の目線は気になりません。マンションと違って、バーベキューでも花火でもやり放題。
たとえばこちらは、ビルを購入して住居にリノベーションした事例です。ワンフロア約8坪、5階建ての縦長ビル。まわりはちょうど低い建物ばかりで、抜け感は抜群です。
ビルの屋上にはウッドデッキを張り、アウトドアリビングとしての居心地をアップ。都心の真ん中で、空や月を眺めるのもステキですね。自然が好きな方におすすめしたい暮らし方です。
事例5〈自宅にガレージ。趣味を愉しみたい〉
フェラーリ、ベントレー、アストンマーチン、ポルシェ、ベンツ…。いつも愛車と過ごせるビルトインガレージは男の憧れですね。でもビルトインガレージは、”住居スペースをとる”というデメリットも。しかし3階以上のビルなら、無理なく叶えやすくなります。
誰にもじゃまされない空間で、好きな音楽を聴きながら、車を磨いたり、メンテナンスをしたり。至福のひとときですね。
ビルにビルトインガレージを新たに設ける場合、耐震性の確保も重要。ビルのリノベーション実績が多い会社に依頼して、構造上ムリのないプランを提案してもらうことも大切です。
ビルに地下がある場合は、音楽室やシアタールームにするのもよいですね。音が外に漏れにくいため、大音量で音楽や映画をたのしめます。
ところで、古いビルは地震が来ても大丈夫?
古いビルが集中する都心。味わいあるビルを買って、住居や店舗にリノベーションする人も増えてきました。しかし
「古いビルは耐震性が低いんじゃないの?」
なんて心配の方もいるようです。
基本的にはビルは鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造で、品質が安定しています。リノベーション会社は、かならず躯体の状態をチェックします。コンクリート躯体にクラック(ひび割れ)や、鉄筋に錆びが生じていなければ大丈夫です。必要があれば防さび工事やブレース補強を行い、地震に強くて長持するビルに一新。しっかりと耐久性をアップします。
まとめ
ビルのリノベーションが向いている人、ビルのリノベーションの事例をご紹介しました。
都心にあふれた雑居ビルやオフィスビルをリノベーションすることは、さまざまなメリットを生み出します。
相続したビルを活かせる
家賃収入を得られる
都心暮らしを満喫できる
アウトドアリビングが手に入る
ガレージや音楽室など趣味の空間が手に入る
暮らしてみれば、マンション・戸建ての「いいとこ取り」だとわかるはず。
ライフスタイルをおもいっきり変えたい! という方は、ビルを住居にリノベーションしてみてはいかがでしょうか。
ビルのポテンシャルを活かしてリノベーション。事務所兼住宅、一部を賃貸に、アウトドアリビングなど、たくさんのアイデアでメリットを生み出します。