お客様インタビューvol.26「記憶がよみがえる家」 | リノベーションスープ

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お客様インタビューvol.26「記憶がよみがえる家」

お母さまの介護のため、ご実家の”離れ”に移り住むことにしたSさんご一家。

35年前に建てられたRC住宅は、コンパクトながらも吹き抜けやトップライトを取り入れ、明るさと開放感をもたらす工夫がなされています。

「この建物のよさを残したい

そういう想いからリノベーションを選んだSさんご夫婦に、お話をうかがいました。

建物が古くなっていて「ほんとうにキレイになるか」不安で...

CRAFT(以下C):とてもモダンなお住まいですね。明るくて開放感があって。

奥さま:ありがとうございます。こちらは、主人の父がおばあさんのために建てた離れなんです。

母屋を設計したのは建築家の吉村順三さん。離れは、そのお弟子さん。昔はあちらの母屋に主人の両親、この離れに祖母が暮らしていました。でも祖母が亡くなってからは、離れはずっと空家。「介護のためにできるだけ近くに越したい」と思って、私たちが離れに移り住むことにしたんです。

C:思い入れのあるお住まいを、クラフトに任せてくださったのはどうしてですか?

長く空家だったので、すごい状態。キレイになるとは思えなかった

奥さま:2年ほど前に、あるイベントでクラフトさんのことを知って、ずっと記憶に残っていたんです。いざリノベーション考えるようになってHPを見てみると、リノベーション事例がたくさん掲載されていて、どれも素敵でした。

実はこのとき、まだ「本当にリノベーションでいいのか」と迷っていたんですね。モヤモヤしていたというか…

ご主人さま:「スピード重視」「あるものを活かす」というメリットから、リノベーションに気持ちは傾いてはいたんですが。なにしろ長く空家だったので、すごい状態。外壁をおおった蔦は室内まで入り込んでいて、正直キレイになるとは思えなかったんですよね。

打合せの帰り道、「感動した!」と叫んじゃいました

奥さま:「ひとまずいろんな会社に聞いてみよう」ということで、クラフトさん・大手リフォーム会社・工務店の3社に、同じ要望を伝えることにしました。一ヶ月後、3社からラフプランが上がってきたんですが….。比べるまでもなく、クラフトさんが圧倒的によかったんです。

私たちの希望通りのプランの他に、いくつかのプランをつくってくださいました。想像もしていなかった間取りで「こんなことができるんだ」とびっくり。打合せの帰り道では、「感動した!」と叫んじゃいました(笑)

C:そんなに印象的なプランだったんですね。

ご主人さま:なにより嬉しかったのは、クラフトさんがこの家の価値を感じてくれていたことです。この建物を見て「躯体がしっかりしているし、建築としても優れています。既存を活かしながらリノベーションしたら、必ずいい家になります」とはっきりと言ってくれたんです。建築や構造にも詳しく、安心して話を聞くことができました。

それと見積もりが誠実だと思いましたね。決して安くはないけれど….しっかりと納得できる金額でした。私たちの予算内で納まるよう、コストのバランスを調整してくださった。

C:「建物のよいところを活かしてリノベーションする」というのが、Sさまとクラフトの共通認識だったんですね。具体的に、どのようなところを「活かしたい」と思われたのですか?

奥さま:やっぱり、このリビングの吹き抜けやトップライトでしょうか。すごく素敵だったので、このまま残したいなと思いました。

この家の将来を、みんなでしっかり考えてくれていることがわかった

C:こちらにお邪魔したとき、吹き抜けとトップライトがすごく印象的でした。抜け感と明るさが出て、実際よりも広く感じられますね。

ご主人さま:ありがとうございます。私たちは吹き抜けに床を設けて、床面積を広げることなんかも考えていたんですが…デザイナーさんに「もったいないですよ」と言われてしまって(笑)。

結果的に残してよかったですね。それと、高い天井を活かした本棚。梯子を上がって本を取るスタイルは、とても気に入っています。

ご主人さま:この本棚の背面の壁は、あえてフカして(※)あるんです。実は、解体後に「壁の耐力が低い」とわかり、デザイナーさんから「補強しましょう」とご提案いただいたんです。

工事担当の方がすぐに社内に報告して、みなさんと相談して対処してくださいました。そんなチームワークもすばらしいなと思いましたね。

※フカす…壁を前に出すこと

C:クラフトは社内に営業・設計・工事がいますから、想定外のことが起こっても、すぐに対策がとれます。そうしたところも、ご主人さまはしっかりと見てくださっていたんですね。奥さまとご主人さま、それぞれお気に入りの場所はありますか?

奥さま:たくさんあります。ひとつはキッチンです。もともと変わった形状なので、どこか別に場所に移動することも考えていたんです。

奥さま:でもデザイナーさんとお話していると、これが料理中の動線が短く、ベストなレイアウトだということがわかりました。よく考えて設計されていたんですよね。

C:たしか、クチーナのオーダーメイドキッチンでしたよね。レイアウトはそのままで、クラシカルなデザインに変更。奥さまのお好きなテイストなんですか?

いえいえ、デザイナーさんが「こういうデザインがお好きなんじゃないですか?」と提案してくださったんです。どうしてわかったんでしょう(笑)。框の扉やサブウェイタイルがアクセントになっていて、窓からは自然光がたくさん注ぎ、本当に居心地のよいキッチン。もともとあった丸形のレンジフードはそのまま残し、ライトを点けて手元を見やすくしてくださいました。

デザインだけでなく機能的面からも、暮らしやすい提案をしてくれた

C:その頃には、デザイナーはお二人の好みをしっかり把握させていただいていたと?

ご主人さま:ええ、それは素晴らしいご提案でした。何一つ文句のつけようがなかった。

寝室もとても気に入ってるんですよ。山形によく泊まる宿が、とても居心地がよくて。私も妻も好きな空間だったんです。それでデザイナーさんにその写真を送りました。竿縁天井など、ディテールにこだわりながら忠実に再現してくださいましたね。

それと、この家にはバルコニーがなく、洗濯物を干せなかったんです。そこで寝室の腰窓を大きく開口して、バルコニーをつくってくださいました。洗濯物を干せるようになったし、寝室も明るくなりました。

奥さま:朝は障子からやわらかい光が入ってさわやかです。気がつくと、娘たちもここでお昼寝しています。気持ちがいいみたいですね(笑)

C:廊下のコーナーにご主人さまの書斎がありますね。居心地はいかがですか?

ご主人さま:窓があるから明るく、スペースもゆったりとしています。それに、リビングの壁面本棚にも手が届くんですよ。書斎から手が届く棚だけ、扉の開き方を変えていただいたんです。

天井あたりが暑いことも気になっていたんですが…。屋根に遮熱材を入れ、下地の野地板を2重にして通気層をつくって、熱気・湿気が通るようにしてくださいました。これで、室内の屋根裏の暑さが伝わらないように。

それと、トップライトは電動で開閉できるようになっています。窓を開けると風が抜けて、かなり涼しいです。

デザインだけでなく機能面にもこだわってくださったので、とても暮らしやすくなりました。

「よいものを活かせる」ことが、リノベーションの魅力だと思います

C:たくさんのサプライズが詰まった空間なんですね。以前のお住まいと比べていかがですか?

奥さま:実は、前はここよりずっと広いマンションで暮らしていたんです。子供部屋はリビングから遠くて、いるのかいないのかわからなかった。でもここでは、”家族の距離”が近くなってきたように感じます。

みんなが、いつもこのリビング・ダイニングに集まってくるんです。それにたとえ個室にいても、キッチンから「ごはんよ~」って言えば、子供たちが出てくる。主人の書斎もそうですね。いつも吹き抜けを通じて、家族みんなの気配が伝わってきます。

C:一時期は建て替えも検討されたこともあったそうですが、リノベーションを選んでよかったですか?

ご主人さま:もちろんです。RC造で建物がしっかりとしていたこともあり、既存を活かしながら美しい空間にリノベーションできました。「よいものを活かせる」ことが、リノベーションの魅力だと思います。そのためには、構造についての専門知識のあるプロに任せることが大切。そういう意味で、クラフトさんにお願いしてよかったと思っています。

奥さま:暮らし心地はずいぶん変わったのに、主人の祖母が住んでいた頃の情景もうっすらとよみがえります。主人のことをとても可愛がってくれた祖母ですから、その思い出も守ることができて、私もうれしいんです。

建物の思い出はそのまま、新しいデザインと機能を取り入れて暮らしやすくする。そこがリノベーションのよいところなんじゃないかな、と思います。

まとめ

Sさんご夫婦の「よい建物だから、よいところを活かしたい」という想い。それに応えるように、昔からある吹き抜けやトップライト、ドアなどは、今でも空間を美しく彩っています。

ときどき席を立ち、お気に入りポイントやエピソードを細かく紹介してくださったご主人さま。お話をうかがっていると、住まいではなく特別な建物を案内されているような気分になりました。たとえば、たくさんの人の思い出や夢がつまった重要文化財のような。シンボルとして、これからもそこにあり続けるべき建物なのです。

「この家を、こうして美しい形で残すことができてよかった」

最後にお二人は、心をこめて言ってくださいました。

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