男が惚れる不朽の名作、デザイナーズチェア | リノベーションスープ

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男が惚れる不朽の名作、デザイナーズチェア

趣ある空間にリノベーションするならcraft

「何だか部屋がしっくりこない」

というとき、ありませんか? 何かが足りないけれど、何が足りないかがわからない。絵?チェスト?スタンド? どれも違うなー。

そんなときにおすすめしたいアイテムが、デザインチェアです。

デザインチェアとは、後世に大きな影響を与えた建築家・デザイナーがデザインした椅子のこと。イームズやヤコブセンという名前は、「よく知らないけど、聞いたことある」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

とにかく、圧倒的な存在感。本物はちょっとお値段が張りますが、発売されて半世以上経った今でも「いつかは欲しい椅子」とされているのがわかるほど。どうやら男性にコレクターが多いようです。

椅子好き男にはたまらない数々の名作を、デザインした巨匠とともにご紹介します。

ビリーワイルダーに捧ぐ。イームズのラウンジチェア

デザインチェアの似合うアカデミックな雰囲気にリノベーションするならcraft.

使い込んでしなやかになった革のように、ゆったりと身体を包み込む心地よさ。存在感はもちろん、究極の座り心地を実現したラウンジチェアとして、あまりにも有名です。

デザインしたのは、チャールズ・イームズ(1907-1978)とレイ・イームズ夫妻。多くの人に使ってもらえる工業製品を中心にデザイン活動を行ってきました。なかでもこちらのラウンジチェア&オットマンは、映画監督のビリーワイルダーに頼まれてつくったもの。こちらの椅子に座ってタバコを吸いながら、「あのシーンでマリリンのスカートを…」なんて映画の構想を練っている姿が思い浮かびます。イームズ夫妻の大切な友人への思いやりから生まれた名作です。

やわらかなレザーと表情豊かな木の組み合わせが、空間に重厚感をプラスします。シックな書斎がふさわしいような気がしますが、このように木をふんだんに使ったリビングに置いてもOK。壁一面の本棚とともに、アカデミックな印象が強まります。

北欧デザインの代表。アルネ・ヤコブセンのスワンチェア

スワンチェアが似合う空間にリノベーションするなら craft

北欧デザインとしても知られているこちらのデザインチェア。〈スワンチェア〉という名前のとおり、白鳥が羽を広げたような曲線が印象的です。デザインしたのは、アルネ・ヤコブセン(1902-1971)。デンマーク出身の建築家で、北欧デザインの基礎をつくりあげた人物としても有名です。

こちらのスワンチェアは、ヤコブセン自身が設計したSASロイヤルホテルのためにデザインしました。これまでに使われたことがなかった素材とシルエットは当時とても斬新で、世界中の注目を集めました。現在もこちらの椅子のファンは少なくありません。このスワンチェアのほかに、エッグチェアもデザイン。こうした家具だけでなく、照明や食器といったトータルデザインを行ったのは、空間の理想を追求した結果です。

R(曲線)の効いた空間に、これまたRが美しいスワンチェアを置くと、やわらかな雰囲気がいっそう広がると思いませんか?

ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナチェア

デザインリノベーションのcraf

クロスしたステンレスのフレームの上に、キルティングのレザークッションが乗っただけの、超シンプルなデザインチェアです。ムダな装飾がないからこそ、誕生から80年以上もの間、飽きることなく愛されてきました。

デザインしたのは、ミース・ファン・デル・ローエ(1886- 1969)。20世紀モダニズム建築を代表する建築家で、ドイツの美術学校、バウハウスの校長も務めています。ル・コルビュジエやフランク・ロイド・ライトと並んで三大巨匠と呼ばれ、主にアメリカで活躍。1929年のバルセロナ万国博覧会でドイツ館の〈バルセロナ・パビリオン〉を手掛けた彼は、スペイン国王夫妻のために、こちらのバルセロナチェアをデザインしたそうです。

画期的だったのは、フレームデザイン。それまでは、椅子の脚は垂直なのがスタンダード。しかしミース・ファン・デル・ローエは、スチールを溶接することで滑らかな曲線を描きながらクロスする、美しい脚をつくりあげたのです。「無駄を削ぎ落としたデザインこそ、豊潤なデザインである」という彼のセオリーを強く感じさせる作品です。

こちらのように、黒やグレーで統一したシンプルかつモダンな空間でこそ、バルセロナチェアの魅力が引き立ちます。白でまとめた上品なインテリアにもgood。一つ置くだけで、空間を引き締めるアクセントになるでしょう。

工芸と工業の融合。ジャンプルーヴェのスタンダードチェア

ジャンプルーヴェのスタンダードチェアが馴染む空間にリノベーションするならcraft

学校の椅子のような懐かしさのあるデザインチェア。後ろの脚が太いのは、ゆったりともたれた背中を受け止めることができるように。明るい木肌のシートと背もたれ、白い脚という組み合わせがやさしく、空間にほっとした空気をつくります。

こちらの〈スタンダードチェア〉をデザインしたのは、建築家のジャン・プルーヴェ(1901-1984)。手づくりの工芸に、工業の合理的精神を取り入れたオリジナルのスタイルが特徴です。

金属を使った極めてミニマムな構造ですが、ぬくもりを感じることができるのは、父であるアール・ヌーヴォーの巨匠、ヴィクトール・プルーヴェから少なからず影響を受けたからでしょうか。

ムダはなく、やさしくしなやかで、美しい。クールな空間に置くと、インテリアに馴染みながらも控えめな存在感で心をやわらげてくれるようです。

フランク・O・ゲーリーのウィグル・サイドチェア

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やわらかな布を折り畳んだような曲線美が特徴のウィグル・サイドチェア。こちらの椅子の誕生を、人々は〈段ボール革命〉と呼びました。こちらは、段ボールでつくったデザインチェアなのです。

デザインしたのは、建築界で活躍するフランク・O・ゲーリー(1929ー)。1970年のこちらの発表以前にも、段ボールを使った家具はつくられていたものの、強度が足りず実用的ではありませんでした。そのためこちらのデザインチェアの登場が、人々に素材の可能性を知らしめることとなったのです。

これまで使われてきた曲げ木と成形合板の技術を段ボールに使いつつ、内側の見えない部分にスチールロッドや木を使って補強しています。他の背中や腰の曲線に沿うような座り心地。木やプラスチック製のデザインチェアとはまた異なり、やさしくフィットするのが特徴です。

有機的なデザインは、木のダイニングとの相性が抜群。モダンな空間よりも、グリーンや木を多用しているようなボタニカルな空間に映えますね。

リプロダクト品と正規品はどこが違う?

最近では、リプロダクト品も多く出回っており、安価でこれらのデザインチェアを手に入れることができます。リプロダクトとは、版権切れの椅子を正規以外のメーカーがつくることで、レプリカやジェネリックと言われることもあります。ここで気になってくるのが、”正規品との違い”ですよね。

結果としては、違います。上質な素材を使って、熟練の職人が一つ一つ手づくりでつくる正規品と、価格を抑えるために大量生産しているリプロダクトの差は、言うまでもありません。

ただし冒頭でもお伝えしたように、正規品はかなりのお値段。それに比べてリプロダクト品なら、正規品1/10の価格で買えることもあります。汚れを気にせず「バルコニーにちょっと置いておく」なんてこともできますし、考えようによっては便利です。

まずはリプロダクト品を買ってみて、「空間にとても合うし、このデザインが大好きだ」と思ったら、正規品を買ってもよいのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしょうか。今回ご紹介したデザインチェアは、ほんの一部です。これ以外にも、ル・コルビジェやフィン・ユール、フランク・ロイド・ライト、ハンス・J・ウェグナー、イサム・ノグチなど、名だたる建築家やデザイナーが素晴らしいデザインチェアを手掛けています。

21世紀も確実に残るであろう名作のデザインチェアなら、空間の主役になること間違いなし。正面はもちろん、360度から眺めても完璧で隙のない美しさが。ただし、リプロダクト品と正規品どちらを買うにしても、ネットショップではなく、かならず実物を見て判断しましょう。最近ではインテリアショップやデパートで、正規品・リプロダクト品の家具の実物を見ることができます。

ご自分の目で美しさを確かめ、身体で座り心地を確かめ、惚れ惚れするようなデザインチェアでなければ買う意味はありません。コツは、急いで買わないこと。一度「これだ」決めたのに、後から気が変わってしまうことも、椅子を探し始めた人のあるあるです。

時間があるときにショップをまわり、悩んで確かめ「もうコイツしかいない!!」と思ったら、決断のとき。”一生もの”と判断したなら、多少予算オーバーでも手に入れる価値があるでしょう。

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