鉄筋コンクリート(RC)造の家は冬に底冷えする…
暖房を入れてもなかなか暖まらない…
といった声が少なくありません。
確かに、無機質なグレーのコンクリートはいかにも冷たそうな印象ですが、それだけが原因なのでしょうか?
断熱リフォームの方法や費用目安、事例もご紹介します。
鉄筋コンクリート(RC)の断熱性
コンクリートは熱伝導率が高く、木材に比べて4〜10倍ほど熱を伝えやすい(=断熱性が低い)素材です。その一方、RC造の建物は気密性が高いため、外気が侵入しにくく冷暖房効率が良いというメリットもあります。
たしかにコンクリート自体は断熱性が低いのですが、たとえ木造の建物だからといって、しっかりと断熱材が使用されていなければ、“夏暑くて冬寒い”ことに変わりはありません。
つまり、“鉄筋コンクリート(RC)造の住まいが寒い”のは、構造のせいというよりも、断熱材の不足が原因です。
築年数が古い建物のなかには、リフォームのために解体してみたら断熱材がほとんど入っていなかった、というケースも。断熱材がなければ、室内に外気の影響をダイレクトに伝えてしまいます。
鉄筋コンクリート(RC)の断熱の種類
鉄筋コンクリート(RC)造の断熱は、断熱材の設置場所によって2種類に分けられます。
外断熱
外断熱は、建物の外側をぐるりと包み込むように断熱材を配置する方法です。外断熱がしっかりしていれば、室内の壁がコンクリート打ちっぱなしでも寒くありません。
内断熱
内断熱は、室内側に断熱材を配置する方法です。区分所有のマンションをリノベーションする場合は、外壁の工事はできないため、内断熱の性能を向上させます。
鉄筋コンクリート(RC)造を断熱リフォームする方法
室内側からの断熱リフォームには、どのような方法があるのでしょうか。
発泡ウレタンの吹付け
2種類の液状のウレタンを混合しながら、壁や天井に吹き付けていく方法です。その場で発泡しながら細かい隙間まで行き渡り、やがて硬化します。泡の中には熱を伝えにくいガスが閉じ込められているため、高い断熱性を持ちます。
断熱ボード(パネル)の追加
発泡ウレタンを板状に形成した、断熱ボードを使用する方法です。室内壁の間に断熱ボードを隙間なく敷き詰めることで、構造体からの熱の伝わりを防ぎます。
窓の断熱補強
冬場に住まいから逃げる熱のうち、全体の約6割が開口部からとされています。そのため、壁や天井だけではなく、窓の断熱補強も重要です。
具体的には“内窓を取り付けてインナーサッシ(二重窓)にする”、“単層ガラスをペアガラスに替える”、“断熱サッシに替える”といった方法があります。
鉄筋コンクリート(RC)造を断熱リフォームする費用
壁や床の断熱補強
壁や床の断熱工事だけを実施するのは現実的に難しいので、住まい全体に手を入れるスケルトンリフォーム(フルリフォーム)の際に行うことになります。
・マンション断熱リフォームの費用目安
発砲ウレタンの吹付け:295,000円/一式〜
(断熱面積60〜100平米程度、解体費用・仕上げ費用を除く)
窓を断熱補強する
・インナーサッシ(二重窓)の費用目安
窓サイズ(W1650):45,000円/箇所~ (取付費含む)
掃出サイズ(W1650):85,000円/箇所~(取付費含む)
鉄筋コンクリート(RC)造の断熱リフォーム事例1
ヴィンテージマンションをフルリフォームして、機能性や快適性を高めた事例です。水回りや住宅設備機器を一新し、北側の居室には壁に断熱補強を実施。
ヴィンテージマンションならではの風格と、心地よさを兼ね備えた住まいに生まれ変わりました。
鉄筋コンクリート(RC)造の断熱リフォーム事例2
鉄筋コンクリート(RC)造の一戸建てをフルリノベーションした事例です。断熱材が入っておらず、窓は単層ガラスだったことから、冬の冷え込みにお悩みでした。
そこで、建物全体に断熱材を追加し、窓はペアガラスと断熱サッシに変更。さらに床暖房を設置したことで、寒い季節も快適に過ごせるようになりました。
鉄筋コンクリート(RC)造の断熱リフォーム事例3
使い勝手の悪かった鉄筋コンクリート(RC)造のビルを、住みやすい空間にリノベーションした事例です。
間取りの見直しを行い、構造計算のうえ大きな窓を新設。老朽化した外壁を全面補修ののち塗装し、外壁まわりや階段室に断熱工事を実施しています。光と風を感じられる、心地よい住まいになりました。
鉄筋コンクリート(RC)造の断熱リフォーム事例4
メゾネットタイプのヴィンテージマンションをリノベーションした事例です。老朽化が進んでいた設備を一新し、外壁に面した壁には断熱ボードを張りました。隙間風にお悩みだった玄関ドアも補修し、冬の寒さを解消。
ご愛用の家具が調和するクラシカルな空間で、ゆったりと過ごすことができるようになりました。
まとめ
鉄筋コンクリート(RC)造の建物の寒さは、構造上の問題というよりも断熱材の不足が原因です。
・壁や床に断熱材を追加する
・窓をペアガラスにする、インナーサッシ(二重窓)にする
といった方法で、外気の影響を受けにくくすることができます。
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