やっぱり落ちつくのは、シックなインテリアの寝室です。
リノベーションするときに、寝室のインテリアに”こだわる派”と”こだわらない派”がいることをご存知ですか? 「一日の大半はここで過ごすんだから、自分の好きなデザインと心地をよさをつくりたい」というのがこだわる派。「他人が見るわけじゃないし、ここはコストを削ってLDKや玄関を豪華にしたい」というのがこだわらない派。どちらも納得のご意見です。
しかし、「こだわる」と決めた以上は妥協はナシ。家具のセレクトとレイアウトはもちろん、床・壁・天井の素材、ライティングまでとことんこだわってみましょう。これから、素敵な寝室インテリアの実例を詳しくご紹介します。
イギリスの古いアパートのようなベッドルームのインテリア
ヘリンボーンに張ったオークの無垢フローリング、ダークグレーでラフに塗装した壁。イギリスのトラディショナルなインテリアに仕上げたベッドルームのインテリアです。
一見するとイギリス紳士のように隙のないインテリア。しかし、エイジング仕上げのフローリングや、塗りムラや刷毛の跡が浮かび上がるようにペイントした壁は、親しみのある趣を演出。襟を正したくなると同時に、ジャケットを脱ぎ捨ててベッドに飛び乗りたくなるようなくつろぎを感じさせる寝室です。廊下と寝室の間の引き戸を閉めれば、独立した空間に。
ちなみに、対面の壁には、廊下まで続くクローゼットが設けられています。奥の大きなBOXのような空間の中は、洗面室・浴室・トイレ。ベッドから起きて、トイレ、歯磨き、ヘアセット、衣装選びとワンストップで朝の身支度ができちゃいます。
見た目・心地よさ・使い勝手ともにパーフェクトな寝室です。
デザイナーズホテルのようなベッドルームのインテリア
壁を切り取ったような開口の先に、寝室が少しだけのぞいています。深いパープルが秋らしい雰囲気です。
こちらはタワーマンションの最上階。暮らしているのは、洗練された雰囲気を好む大人のご夫婦。都会暮らしにつきものの喧噪から解き放つ、寝室インテリアの実例です。LDKの床はつやつやとしたタイルなのに対し、寝室はふわふわのカーペット。裸足で歩くことの多い寝室には、肌ざわりのよいカーペットがおすすめです。ブラウン系の幾何学模様のカーペットをセレクトし、よりあたたかな表情に。
デザインはモダンですが、そのなかに”あたたかな素材感”を感じられるような素材を選ぶことが、くつろぎの寝室インテリアのポイントです。ボルドーカラーのファブリックで、秋冬にぴったりなベッドルームのインテリアに仕上げることができました。
NYロフトアパートメントのようなベッドルームのインテリア
経年で変色したり欠けたりして味わいが増しているアンティーク煉瓦。リノベーションでも人気の素材です。
こちらの寝室は、壁に古いアンティーク煉瓦を貼り、さらに上から白いペンキで塗装しています。プロが見え方を計算しながらラフに白いペンキを塗っているので、モダンさと趣のバランスが絶妙に保たれています。玄人好みのベッドルームのインテリアです。
隙間からは下地となっているアンティーク煉瓦が見えて、NYのロフトアパートメントさながらのラフさ。ベッドの横にはロフトを設け、その下はWICに。隣には洗面室とバスルーム。使い勝手は言うまでもありません。
リゾートホテルのようなベッドルームのインテリア
木に包まれていると、森林にいるかのようにほっとしますね。ただし、計算なしに木を使うと、洗練さに欠けたり、重たくなったり。寝室のインテリアで木を使うには、バランスや納まりにこだわる必要があります。
こちらはバリのリゾートホテルのような上質感と開放感を意識したベッドルームのインテリア。正面の壁にはチークのパネルを貼り、ベッドヘッドのように見せました。間接照明によって木目が浮かび上がり、エキゾチックな雰囲気。
天井には梁・エアコン・ダクトによる凹凸が生じていました。よく「リノベーションで天井を高くしたい」という声を聞くことがありますが、この凹凸は天敵。ラフな空間が希望なら丸出しでもかまいませんが、ホテルのように洗練された空間を求めるとなると、放っておくわけにはいきません。
今回はチークのパネルを天井にも張って、その凹凸を隠しています。木目の方向はタテヨコに替え、リズムを出したこともポイントです。
木のドームに囲まれたベッドルームのインテリア
小さな寝室は、それを逆手にとって、あえてこもった雰囲気に。壁から天井にかけて、木の板を曲線に貼りました。ドームのような形のベッドヘッドが身体を優しく包み込み、くるといだ雰囲気に。さわやかなホワイトオークの木のパネル。二列ごとにLEDを入れ、おだやかな曲線を強調しています。
この光を主役にするため、他の照明はなしに。寝室に続く大きなWICには、ご主人さまのデスクを造作しました。仕事を終えてベッドに横たわると、木に包まれたような安心感と、深い眠りが訪れます。
まとめ
日没が早まる秋冬は、ベッドに向かう時間も早くなりそうです。就寝までのひとときをベッドで読書をしたり、音楽を聴いたり、日記を書きながら過ごしたり。寝室は”眠るだけ”の空間ではなく、一日を思い返したり、明日のことを思ったりする”静”なるスペース。
だからこそ、ほっとできる落ち着いたカラーや素材を使って、心から安らげるインテリアにこだわりたいものです。
今回のように、リノベーションでベッドルームのインテリアを大きく変えてしまうのもありですが、そこまで時間とコストをかけたくない方は、シーツやピローケースの色を変えてみましょう。ブラウンやボルドーといったシックなカラーを使うだけで、秋冬のベッドルームインテリアに。
※こちらの記事は、2015年9月の記事に加筆しています。