大正ロマンなインテリアをつくる、4つのポイント | リノベーションスープ

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大正ロマンなインテリアをつくる、4つのポイント

大正ロマンなインテリアをつくる、4つのポイント

大正ロマンのインテリアだけが持つ、和洋折衷の美しさ。しかし、これといったインテリア実例が少ないため、多くの方が「大正ロマンのインテリアって、どうつくるの?」とお悩みです。

大正ロマンインテリアは、”ただ古さを意識すればよい”というわけではありません。

欧米のロマン主義的な華やかさがありながら、日本的な情緒性、落ち着きを感じられるのが大正ロマン。大正ロマンとは、大正時代の独特の文化に憧れや憧憬を込めてつくられた言葉です。こうした絶妙なセンスを理解しなければ、ただの古い家になってしまいます。

これから、大正ロマンのインテリアをつくる4つのポイントをご紹介します。

大正ロマンのインテリアをつくるポイント4つ

〈大正ロマンポイント 1〉格子の窓

大正ロマンなインテリアをつくる、4つのポイント

大正ロマンのインテリアになくてはならないのが、格子の窓です。明治時代とは異なり、大正期になるとオリジナリティのあるデザインが目立つようになりました。格子を幾何学的に組んだり、一部にステンドグラスを取り入れたり。写真のように結霜ガラスをはめ込めば、レースカーテンのように、近隣からの目隠しとなります。

現在でも、格子の窓は古い建具屋さんで買えます。しかし、イメージしているデザインや、お住まいの窓に合うサイズで見つけるのは、なかなか難しいですね。そんなときは、建具屋さんにオーダーしましょう。リノベーション会社に頼んでも、空間に合ったデザインを考えてくれます。
 

〈大正ロマンポイント 2〉腰壁

壁のちょうど腰くらいの高さまで、木のパネルを貼った状態を〈腰壁〉と言います。壁の下部につきやすい汚れを防いだり、空間にリズムをつくる役割があります。クラシックホテルや古い教会などで目にしますね。

お部屋に腰壁を設けると、ぐっとレトロ感がアップします。腰壁が高ければ高いほど、重厚で落ち着いた雰囲気に。窓の下枠に合わせてすっきりとさせたり、逆に思いきり高くして重厚感を演出したりと、高さはお好みです。

天井高が低めなら、腰壁も低めにして重心を下げるのもよし。天井の低さが気になりにくくなります。

腰壁の素材も大切です。たとえば赤褐色のサペリを使用すると、女性らしく、大正期の華やかな雰囲気が広がります。大正ロマンを意識するなら、できるだけ光沢があって高級感を感じられる、上質な木をセレクトしましょう。
 

〈大正ロマンポイント 3〉ステンドグラス

大正ロマンなインテリアをつくる、4つのポイント

怪しげな魅力を放つステンドグラスは大正時代に大流行。いたるところで使われるようになるなど、大正時代はステンドグラスの全盛期です。

大正ロマンインテリアに、ぜひ使いたいガラスです。たとえばこちらの実例。お部屋の持ち主がアンティークショップで一目惚れしたステンドグラスを、お部屋の建具にはめ込んでいます。窓から注ぐ自然光がステンドグラスを通り抜け、ほの暗い廊下にうつくしい光の影を落としています。荘厳な教会のような趣が生まれていますね。

”窓に使う”と思われがちなステンドグラスですが、欄間や壁にはめ込んだりと、用途はさまざまです。光をたっぷり透し、ガラスの美しさが際立つように配置しましょう。

アンティークショップを巡ってお気に入りを探すほか、ステンドグラス工房にお好きなデザインでオーダーする方法も。もしリアルなレトロを追求するなら、地道にショップを巡ったり、ネットを見たりして探しましょう。
 

〈大正ロマンポイント 4〉銘仙柄

大正ロマンなインテリアをつくる、4つのポイント

大正時代を代表する着物といえば、銘仙。平織りの絹織物で、縞や絣、草木花といった西洋文化を取り入れた模様が登場しました。当時としてはかなり斬新なデザインで、モダンガールのお洒落着としても人気でした。「あら、素敵な銘仙ね」というくらい、当時は女学生の間でも流行していたとか。

大正ロマンのインテリアにも、ぜひ”銘仙らしさ”を取り入れてみましょう。カーテンやベッドカバーなど、銘仙っぽいファブリックでまとれば、かなり大正ロマンな雰囲気が出ます。ちなみにこちらの実例のファブリックには、銘仙ではありませんが、生成りの生地に果実が描かれたアールデコな模様をセレクト。ベッドカバーも、カーテンと同じ生地でオーダーしたそうです。

大正ロマンのインテリアは、ファブリックにも手を抜きません。

大正ロマンを感じる、東京・横浜おすすめスポット

豪華絢爛な大正ロマンのインテリア、鳩山会館(文京区)

大正ロマンなインテリアをつくる、4つのポイント
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大正13年(1924年)、鳩山一郎の邸宅として建てられました。都内で数少ない大正ロマン住宅です。

約2000坪という大きな敷地に、当時はまだめずらしかったRC(鉄筋コンクリート)造の洋館。外壁には鳩(!)やミミズクの装飾が施され、正面には、イングリッシュガーデンが広がっています。

応接室の壁には腰壁が、天井に届きそうなほど高いところまで貼られています。光沢のあるダークブラウンが圧倒するような重厚感。邸内には格子窓・腰壁・ステンドグラス・赤いカーペットなどなど、大正ロマンのインテリアのお手本が散りばめられています。

ダイニングテーブルやイス、シャンデリアなど、家具や調度品もぜひチェックしてみてください。

実際に大正時代に建てられた洋館は、リアルな大正ロマンを感じることができる。江戸川橋駅・護国寺駅より8分。月曜休。
 

シックな大正ロマンのインテリア、ミルクホール(鎌倉市)

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明治から昭和にかけて、たくさんの〈ミルクホール〉という飲食店がありました。文字通り”ミルクを飲める店”だったのですが、大正時代にはコーヒーを飲めるミルクホールが大盛況。喫茶店の前身です。

鎌倉にある〈ミルクホール〉の創業は1976年。大正ロマンの空気感を感じることができるカフェです。ごくごく自然につくられたシックな大正ロマンのインテリアは、妙に心にフィットします。

経年で変色した柱、羽目板の腰壁、格子の窓。ほかにも、ステンドグラスやすりガラスなど、大正ロマンのインテリアのアイデアが満載です。

ちなみに、鈴木清順監督の「チゴイネルワイゼン」という映画の撮影に使われたことでも有名なお店です。(大正ロマンインテリアの参考になる映画ですので、ぜひ見てみてください)

鎌倉小町通りの裏路地にたたずむカフェ。アンティークの食器や照明を販売するスペースも併設されており、のぞくだけでも楽しめる。
 

まとめ

いかがでしょうか。大正ロマンについては、みなさんそれぞれの印象をお持ちかと思います。しかし個人的には、「和と洋が調和」しており、かつ「ちょっと贅沢」というのがポイントになってくるかと思います。

大正ロマンのインテリアをつくるなら、以下のことを意識してみましょう。

・格子の窓
・腰壁
・ステンドグラス
・銘仙風のファブリック
・和と洋の家具をミックス
・床や壁など仕上げ材は上質に
・赤い絨毯

大正時代は、明治と昭和の間のたった15年間。にも関わらず、匂い立つような華やかさで人々の心をとらえ、現代でも大正ロマンのインテリアやカルチャーは独特の地位を築いています。

もし大正ロマンのインテリアにしたい! と思ったら、カフェや建物を巡り、そのなかから「心地よい」と思うテイストを参考にしてみましょう。

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