壁の一部をくぼませたニッチは、最近リノベーションも見られる意匠です。デッドスペースを利用するため、スペースに余裕がない場合でも取り入れやすくなります。
早速、ニッチを効果的に取り入れた素敵なインテリア事例を見ていきましょう。
ニッチを本棚に。お気に入りの写真集をディスプレイ
廊下などの狭い空間でも「インテリアを楽しみたい」という方は多いのではないでしょうか。ニッチは壁に奥行きをつくるため、窓のない部屋や閉鎖的な空間に広がりをもたらします。
こちらのお宅では、玄関ホールからリビングの入り口にかけて壁にニッチを設け、「洋書や写真集を飾りたい」という希望を叶えました。ほんの少し壁をくぼませたニッチに、お気に入りの写真集や本をフェイスアウト(表紙を正面に向けて飾る)でディスプレイすれば、表紙がアートのように際立ちます。大型の写真集もディスプレイできるよう、手持ちの本のサイズでニッチを計画。気軽に本を入れ替えて、インテリアを楽しむことができますね。
シンプルな住まいにこそ、ニッチで自分らしさを演出したいもの。お気に入りの本を飾れば、より愛着が生まれます。
壁のニッチはインテリアの主役。飾るものを厳選
たくさんの本をお持ちなら、デッドスペースになりがちな場所を収納として活用してみませんか。
こちらのお宅では、階段横に本のサイズに合わせて幅や奥行きを設定したニッチを造作し、手持ちの本にぴったりの収納兼ディスプレイコーナーに。自宅ライブラリーとスチールの手すりがマッチして、スタイリッシュなイメージの階段スペースが実現ました。
空間を家具などで狭めることなく、デッドスペースを有効活用できるのがニッチのメリット。飾るものを厳選したうえで、空間に余裕を持たせましょう。洗練されたディスプレイに仕上げるポイントです。
リビングにニッチのあるインテリア。決め手は間接照明
リビングは家族団らんやホームパーティなどで人が集まるため、インテリアにこだわりたいですね。
住む人の個性があらわれるディスプレイにも注目したいところ。収納だけでなくディスプレイコーナーとしても使えるニッチ。間接照明を入れると、より効果的に演出できます。柔らかな光はニュアンスのある陰影を生み出し、アンティーク小物やインテリア小物などが際立ちます。
こちらのお宅は、リビングの壁の厚さを利用してスリットのようなニッチを設け、ギャラリーのように上質感のある空間に仕上げました。ラグジュアリーな雰囲気を演出するのは、ニッチ内部を柔らかく照らす間接照明です。棚板をガラス製にすると抜け感が出て、軽やかで上品なイメージが生まれます。
壁のニッチでインテリアにリズムと遊び心
壁面を大型収納にした寝室に、ニッチで遊び心をプラスした空間。ランダムにニッチを取り入れることで、落ち着いた雰囲気のなかに抜け感を演出。リズミカルな遊び心を感じさせるインテリアに仕上げています。アクセントにラベンダーカラーを効かせ、シックでモダンな雰囲気を演出しました。
小さな小物やグリーン、読みかけの小説などをさりげなく置いても絵になるのがニッチのすごさ。
壁面収納を設けるなら、ぜひ参考にしたいインテリアです。
壁のニッチでお酒を飾るインテリアスペースを
リノベーションでは解体後に、壁の中にデッドスペースがあることも。そんなときこそ、ニッチを検討するべきです。
ニッチは壁の厚みを利用して造作するため、壁内の空間にゆとりがあるときは奥行きが思いのまま。
こちらのお宅は、引き戸に合わせて木目が特徴的なサペリを採用。統一感のあるインテリアに仕上げています。ガラスの棚にはお気に入りのウイスキーボトルとグラスをセットで並べるだけで、自分だけのバースペースのように。引き戸を開けるとニッチが隠れ、引き戸を開けるとニッチがあらわれて、雰囲気が変わるという遊び心にも注目。棚板がガラス製のため、すっきりとした印象が生まれます。
まとめ
ニッチのあるインテリアをご紹介いたしましたが、いかがでしょうか?
リビングにニッチを設けると、ちょっとしたアイポイントに。さらに間接照明を入れるとホテルライクな華やかさが生まれます。スペースはそれほど必要ないため、「空間にアクセントがほしい」という場合におすすめです。
ニッチは今回ご紹介した他にも、キッチンや玄関、洗面所、トイレなどスペースを取れない場所の収納づくりに最適です。壁内にスペースがあれば実現可能。空間が広げられない場所、家具を置けない場所などに、検討してみてはいかがでしょうか。暮らしに潤いを与えてくれる、素敵な住まいづくりに一役買ってくれます。