なつかしいような商店街を通り抜けたところに、そのビルがありました。
お母さまから譲り受け、長いこと空いていたという築30年のビル。今回の一棟まるごとリノベーションにより、1階にはテナント、2~3階は賃貸、4階はオーナー住居に生まれ変わっています。
プランを大手3社と比較し、「見た時に心が踊った」という理由でクラフトに決めたというKさんご夫婦。ゆっくりとお話をうかがうことができました。
ずっと空いた状態で、内装も配管も古くなっていた
CRAFT(以下C):もともとご近所にお住まいだったそうですね。今回、こちらのビルをリノベーションして暮らすことになったきっかけを教えていただけますか?
ご主人さま:はい。戦前の祖父の代からこの土地で商売をしていて、30年前に母がこのビルを建てました。1階は店舗、2階・3階は社員寮で、4階で母が暮らしていたんですが…。母が亡くなってからずっと空いた状態だったんです。築30年なので内装は傷んでいたし、設備や配管も古くなっていた。「そろそろどうにかしなくちゃな」とは思ってたんです。
もちろん建て替えも考えましたが、工期も費用も掛かるし、なにより相談した会社に『しっかりしたビルだから、壊すのはもったいないですよ』と言われてしまって。そこでリノベーションして1階~3階は賃貸にし、4階に私たちが住むことに。
ビルだから、やっぱり大手がいいの? リノベーションでどこまでできるの?
C:『ビルのリノベーション』というと、やっぱり普通の戸建てよりも大規模なものになります。そういう意味でも、会社を選ぶのは大変だったのでは?
奥さま:そうなんです。「大手がいいの?リノベーションでどこまでできるの?」なんて、ほんとにわからないことばかり。
それで、まずはメジャーな大手3社に相談しました。ところが1社はプランがあまりよくなかったし、もう1社は対応はきちんとしていたけれど、プランはごく普通。残りの1社はオープンルームの見学に行ったんですが、「壁を壊すような間取り変更はできない」と言われて…
C:わりと最初からひっかかってしまったんですね。
奥さま:ええ。そんなことでリノベーション会社を決めかねているときに、インターネットでクラフトさんを見つけたんです。デザインがとても素敵だったので、候補に入れちゃいました。
クラフトのプランを見たとき、心が躍った
C:結局、4社にご相談されたわけですね。その中で、クラフトは一番規模が小さい会社です。クラフトに決めてくださった理由はどこにあったんでしょうか?
奥さま:確かに大手は手厚い感じがしました。リノベーション部門、賃貸部門と、それぞれ分かれていて、しっかりサポートしてくれるところはさすがだな、と。でもプランを見てもまったく心が躍らなかったんです。
C:心が躍らない…?
奥さま:はい。クラフトさんのプランには、私たちが何気なく言ったことがさりげなく反映されていたんですよね。たとえば、モデルルームは自由ヶ丘・青山・新宿と3つすべて見学したので、「自由ヶ丘モデルルームのタイルが素敵」「青山モデルルームのフローリングが好き」なんて何気なく言っていたら、プランにしっかりと組み込まれていて。
プランを見た瞬間、まさに心が躍りました。
「私たちが暮らしたくなるような家をつくろう!」と決心
ご主人さま:賃貸部分もそうでしたね。他社のプランを見て『自分だったらこの部屋を借りたいか』と考えたとき、やっぱりクラフトさんにお願いしたい、と。予算が多少膨らんでも、”私たちが暮らしたくなるような家”をつくろうと決めました。
奥さま:クラフトさんがリノベーションした賃貸マンションを、事前に見学できたこともよかったですね。その賃貸マンションはオープンキッチンで、窓が大きく、タイルが貼ってあったりして…とてもセンスがいいな、と感じました。ネットで調べてみると、あんなに素敵な賃貸物件は、この辺りにないことがわかりました。「家にこだわる人なら、やっぱりこういうところで暮らしたいだろうな」と思いましたね。
C:もともと8世帯あった賃貸を4世帯にし、1住戸あたりのスペースを広くされていますね。キッチンの腰壁にタイルが貼ってあったり、入り口は框ドアだったり。取っ手もこだわっていらっしゃる。女性が好みそうなカフェ風の雰囲気ですね。
ご主人さま:やはり家を決める時は奥さんが主導権を握ることが多いだろうな…と思って。クールなデザインもご提案いただいたんですが、女性目線を重視したこちらのデザインを選びました。
お子さまや共働きのご夫婦を思って、オートロックや宅配ボックスも設置
奥さま:それに私たちが同じビルの上に住むから、できるだけ感じのよい人に借りてほしいって思っていました。きちんと挨拶をしたり、ゴミ出しを守ってくださる方が暮らしたくなるような家にしたかった。
お子さまや共働きのご夫婦を思って、オートロックや宅配ボックスも設置したんですよ。エントランスもこれまでよりも広いスペースをとっているし、入ってすぐの壁に石を貼ってモダンなイメージに。エントランスからイメージががらっと変わりましたね。
最上階の自宅は、ホテルライクな空間に
C:最上階のご自宅は、またイメージが違いますね。こちらはご主人さまの好みだとうかがいました。
ご主人さま:はい。青山モデルルームみたいに開放的で、ホテルのように生活感がない空間にしたかったんです。たとえばTVは存在感が出ないように、背面の壁を黒にしていただいています。TVボードやカウンターはあえて置かず、AV機器はサイドのブラックガラスの内側に収納。余計な機器は表に出ていません。
C:なるほど。賃貸部分は市場のニーズを意識する一方で、ご自身のお住まいはお好みのデザインになさったんですね。
奥さま:間接照明もあちこちに入っていて、ホテルでくつろいでるみたいに居心地がいいんですよ。わりと大きな通りに面しているから『落ち着かないかも』なんて心配してたんですが….。不思議と静けさを感じます。夫婦で好みが違ってデザイン面では悩んだんですが、こうして暮らしてみると「よかった」と思いますね。
「ダメ」とはっきりと言ってくれたから、信頼できた
C:今回は賃貸部分だけでなく、ご自宅の仕様や設備も選んでいただきました。一般的な住宅リフォームに比べて『決めなければいけないこと』がたくさん。大変だったのでは?
奥さま:それが…そうでもなかったんです(笑)。打合せのときには、デザイナーさんがサンプルを3つくらい選んでくださっていて。きっとどれを選んでも上手くいくんだろうな、というところまで厳選されていたので、私たちは好きなものをセレクトするだけ。それに『ダメなことはダメ』とはっきり言ってくださったので、安心でした。
C:そのダメなこととは…?
ご主人さま:たとえば私が「バスタブを黒にしたい」と言ったら、「水垢が目立つので、几帳面に拭き掃除ができる方じゃないと」と。そんな自信はなかったので、結局白にしました(笑)。
大半の会社はお客さんが「こうしたい」と言ったらその通りにしますよね。でもクラフトさんは、きちんと理由があって『やめたほうがいい』とはっきりと言う。そういったところが信頼できました。
C:そうでしたか。確かにクラフトは、お客さまのご希望があっても、それが暮らし心地やデザイン性を損なうものであれば『ノー』と言わせていただく。そのかわりに、ご希望を叶える他の方法をご提案させていただきます。そうした姿勢に共感できる方なら、クラフトとの相性がよいかもしれませんね。
絶対にモデルルームを見た方がいい
C:クラフトで賃貸一棟まるごとリノベーションをしてみていかがでしたか?
ご主人さま:完成を見たときは、『こんなに変わるんだ』と驚きました。完成までは図面でイメージしていたけれど、やっぱり想像しきれないところがありましたから。
これからリノベーションする方に言えるのは、「絶対にモデルルームを見た方がいい」ということ。クラフトさんには3つのモデルルームがありますが、どれもテイストが違う。それぞれによいところがある。他にはない空間ですので、それを事前に見ておくだけでリノベーションの雰囲気がわかると思います。
奥さま:そうですね。私たちのように『何からやればいいか、どこに相談したらいいかわからない』という方は、まずモデルルームを見学してみるとよいかもしれません。
まとめ
「感じのよい人に借りてほしい」
そういった想いからプランを決定していったKさんご夫婦。もともと単身者向けの簡素な独身寮でしたが、住戸スペースを広げ、夫婦やカップルが気持ちよく過ごせそうなさわやかなデザインに。エントランスホールを新設し、セキュリティカメラや宅配ボックスも設けています。
お引き渡し当日には「すでに女性の借り手が決まっているんです」と教えてくださった奥さま。それから数週間後には、すべての部屋の借り手が決定。1Fのテナントにはおしゃれなコインランドリーが入居予定です。
新築でなくても、よい物件には自然と人が集まってくる。
そんなことを思わせるインタビューとなりました。
■物件データ■
総戸数(賃貸部のみ):8戸→4戸
築年数:30年
構造:RC(鉄筋コンクリート)造
間取り:1LDK(賃貸部分)
リノベーション総面積:370m2
各部屋平米数:39.5~45m2
賃料:10万円前後
ターゲット:単身・カップル・夫婦(1〜2人)
エリア:豊島区
※バックナンバー※
〈一棟丸ごとリノベーション〉オーナーさまの声 vol.1
〈一棟丸ごとリノベーション〉オーナーさまの声 vol.2
〈一棟丸ごとリノベーション〉オーナーさまの声 vol.4
賃貸を一棟リノベーションした事例をご紹介しています。大きなサッシや浴室、対面キッチンなど、借り手のニーズを意識したオリジナルのプランで満室になったケースも。