「リフォーム前提だったから、物件探しでは価格と広さ、理想通りにリノベーションできるかを重視しました」と語るのは、1人暮らしのKさん。 クラフトのデザイナーと一緒に物件探しをスタート。購入したのは、”Kさんの理想通りにリノベーションしやすい“マンションでした。
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場所_ 東京都 マンション
家族構成_ 単身
築年数_ 25年
リフォーム面積_ 65㎡
工期_ 2ヶ月
費用_ 1092万円
大きなLDKと、ミニマルな寝室
和室をなくして大きなLDKを設け、寝室はベッドがぎりぎり入る広さ。さらにトイレ以外の間仕切りは一切なし、というかなり潔いプラン。ほとんどワンルームのような印象です。
キッチンの腰壁には、古材のパネルを貼りました。縦横の方向を変えて貼ることでラフな印象に。また正面から見たときにシャープなイメージを与えられるよう、腰壁の横のシルエットを強調しました。
コンクリート躯体と塗装のバランス
壁や天井は仕上げを撤去し、コンクリート躯体をあらわしに。
コンクリート躯体の荒々しい風合いを強調するために、新設の壁を白く塗装。清潔なシャツのような白い壁は、コンクリートの質感を際立たせるだけでなく、ラフさときれいさ、どちらにも偏らないバランスをキープしています。
ダイニングには、凹凸の激しい足場の天板、鉄素地のフレームで構成されたテーブルを配置しました。足場の荒削りな質感や鉄の無骨さが、空間にマッチしていますね。
ジェントルマンズグレーで塗装
リビング側の壁もコンクリートあらわしに。サイドは”ジェントルマンズグレー”という、夜闇のように深いブルー。Kさん自らがショールームを訪れ、時間をかけてじっくりと選んだお気に入りの色です。
ライトや自然光が当たると表面に塗りムラがあらわれ、やわらかな表情を感じます。
趣たっぷりの梁が、壁を貫き洗面室に
ドアのない洗面室は廊下から見えることを考慮してデザイン。スクエアの鏡と洗面台を置ただけのさりげないシンプルさで、生活感をまったく感じさせないようにしました。
余計なデザインを施さないことで、限られた空間をよりスタイリッシュに、より開放的に見せています。
また廊下から壁を貫いている、趣たっぷりの梁にもご注目。あえて露出させ、洗面室と玄関のアクセントにしました。ところどころに変色や欠けが見られ、ミニマルな洗面室において強い存在感を放ちます。
周囲の壁をきれいに塗装することで、梁の独特の風合いをより強調しています。
奥行きを感じさせる本棚で、寝室をさりげなく目隠し
廊下にはディスレイ用の本棚を設けました。ドアがないぶん、本棚がさりげなくプライベートな空間を目隠ししてくれます。
棚の凹凸によって陰影が生まれ、フラットな壁面よりも奥行きを感じられるように。視覚的な工夫で、空間をいかようにも感じさせることがきます。
ダクトの経路にもこだわって、整然とした印象に
玄関から見たときにうつくしく見えるよう、ダクトは経路を変更。ややもすると無骨な印象になってしまうところを、直線にこだわることで整然としたイメージに仕上げています。
モダンとヴィンテージの家具をミックスしたり、好きな雑貨やグリーンを無造作に置いても、なんとなくキマってしまうニュートラルな空間。暮らす人のセンスを発揮しやすいデザインです。