男前インテリアの人気がじわじわと盛り上がっています。しかし、インテリアを男前にするだけに留まらず、「男前なキッチンにリノベーションしたい」という本格派がちょっとずつ増えているようです。
「男前インテリアなんて聞いたことないけど」 という方のためにご説明しますと、男前インテリアとは、古材や錆びた鉄といったジャンクな素材と、インダストリアルなアイテムを使って無骨でかっこよく仕上げるインテリアのことです。経年で深みを増したフローリングや煤けて変色した煉瓦を見ると、女子たちがと「ステキ…」と目をキラキラさせてしまうとか。
オープンキッチンが主流となった今、キッチンは〈LDKを彩る重要なインテリア〉と考える必要がでてきました。キッチンを男前にリノベーションするときのポイントは、素材使い。求める男前のレベルによって、素材を使い分けていきましょう。
レベル☆☆☆☆☆ プロ級の男前キッチンにリノベーション
素材、設備ともに一流の男前キッチンにリノベーションしています。経年を重ねたようなアンティーク煉瓦や、色ムラのあるテラコッタタイルを使用。設備にも妥協しません。
プロが使用する厨房機器を設置し、ホームパーティーではたくさんの友人をもてなせるように。
浮づくり加工で木目を際立たせた無垢材のカウンターと、どっしりとしたスタイリッシュなステンレスキッチンの対比もプロっぽいですね。老舗レストランのような貫禄を感じさせる、男前キッチンに生まれ変わりました。
ただしこのようなキッチンだと、ゲストからハイレベルの料理を期待されてしまいます。ゲストにカレーなぞを出そうものなら「このキッチンで?」みたいなツッコミが入りかねません。いや、カレーはおいしいんですけどね。でもこんなキッチンだと、ビーフシチューとかパエリアなんかを期待しちゃうじゃないですか。
レベル☆☆☆☆ クールな男前キッチンにリノベーション
またまた、けっこう難易度の高い男前のキッチンですね。いや、難易度が高いからこそ使いこなしたくなる。「高い山ほど登ってみたくなる」という男前な女子のみなさんにおすすめなのが、こちらのキッチンです。
キッチンの前には黒皮鉄で腰壁を設け、クールな男前キッチンにリノベーションしました。溶接の跡が残る黒皮鉄は、ややハードボイルドな男前の雰囲気をかもし出しています。経年するごとに黒皮鉄が錆び、深味が増していくのをゆっくりと待つ。そういった大人のたのしみを教えてくれます。
とてもクールな男前ですが、、ヴィンテージ仕上げのフローリングや塗りムラのある塗装の壁からは、素朴なあたたかさが伝わってきます。ポーカーフェースな人が時々見せる笑顔のような雰囲気です。
料理は何を出したらいいか? そうですね。こんなオシャレなキッチンなら、チーズとワインを出しておけば格好がつくでしょう。いい感じでお酒がまわったところで、カルボナーラとかどうですか?
レベル☆☆☆ リラックスする男前キッチンにリノベーション
ちょっと親しみやすい雰囲気が出てきましたね。見ているだけでほっとするような男前キッチンですが、そのポイントは”古材”の使い方にあります。
既製品のキッチンの側面に古材のパネルを貼り、リラックスした空気を感じさせる男前キッチンにリノベーションしました。色幅のある古材を縦横ランダムに並べ、コンクリートで無機質になりそうなところに、”リズム”と”ぬくもり”をプラスしたのもポイントです。また、木を多用したことでキッチンが野暮ったくならないよう、キッチンは横長のシルエットにこだわり、スリムに見せています。
こんなやさしい男前キッチンなら、たまにはボンカレーを出しても許されそうです。
レベル☆☆ ニュートラルな男前キッチンにリノベーション
男前のキッチンにリノベーションするのって、素材もいろいろ悩まなきゃいけないし。ちょっとハードル高いわ」というみなさん、ご安心ください。100%の男前をねらう必要はありません。むしろちょっとハズしたほうが、ライフスタイルに合う場合もありますよ? とりあえず、〈男前+お好きなテイスト〉というように、男前の濃度を下げてみましょう。
こちらは〈男前+スタイリッシュ〉にリノベーションしたキッチンです。やはり、ここでも素材の使い方がポイントになってきます。壁と天井には男前なコンクリートがあらわしに。そこにあえて、明るくさわやかなシナ材を合わせ、ニュートラルな男前キッチンに仕上げました。
これまでの男前キッチンとは違い、クセがなく、万人に好かれそうです。お姑さんなどが遊びに来ても「あら、モダンで素敵じゃない」と誉めてもらえそうですね。ちらし寿司などを振る舞いましょう。
まとめ
いかがでしょう。男前のキッチンにリノベーションするとき、ご自身のライフスタイルや好みをはっきりさせる必要があります。その後、どの”レベル”の男前キッチンにリノベーションするかを考えましょう。
レベル☆☆☆☆☆
〈料理の腕に自信あり。ゲストを招いて料理を振るまいたい方〉
アンティーク煉瓦やテラコッタタイルなど趣のある素材を使い、重厚感のある男前キッチンに。プロ用の厨房機器を設置し、デザイン、設備ともにハイレベルを目指しましょう。
レベル☆☆☆☆
〈デザイン性重視。クールに仲間をもてなしたい方〉
無骨な素材をキッチンまわりに散りばめましょう。所々に素材感を感じさせる塗装や無垢材をポイントとして使ってもよいでしょう。生活感が出ないよう、家電も納められる大きな壁面収納はマストです。
レベル☆☆☆
〈心地よさにこだわり。キッチンでもリラックスしたい方〉
キッチンの側面に古材のパネルを張るなど、キッチンのどこかに木の素材感が伝わる部分をつくりましょう。コンクリートで無骨なだけの男前よりも、心地よさがアップします。
レベル☆☆
〈子供の友達からお姑さんまで、幅広くもてなしたい〉
〈男前+シンプル〉というように、他のテイストをプラスし、ニュートラルな雰囲気を目指しましょう。コンクリートの壁に、ステンレスやシナ材といった軽やかな素材を合わせれば、さわやかな男前。
ざっくりと4つに分けましたが、どのレベルの男前にするかは、あなたの好みや理想のライフスタイルから考えていきます。ただし、プランや素材を考えるのはリノベーション会社の仕事です。好みのインテリアや、キッチンでの過ごし方、どのような人を招くかなどをデザイナーに伝えるだけで十分。デザイナーが理想的な男前キッチンのリノベーションプランを提案してくれます。
『男前インテリア+αのつくり方〈2017最新版〉』の記事もご覧ください。
使う色や素材、もちろんプランも、暮らす人らしさを大切にしてリノベーションしました。こだわりのキッチンも多数掲載!
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