長引くコロナ禍により、住まいの間取りに変化があらわれています。
テレワークの浸透により、自宅ワークスペースの設置が定番化しそうです。「2LWDK」「3LWD」といった、新しい間取りも登場してきました。
ワークスペースは、独立性の違いにより3つのタイプに分けられます。自宅にワークスペースを設けた事例とともに、確認してみましょう。
2LWDK、3LWDKってどんな間取り?
かねてより政府は、働き方改革の一環としてテレワーク(オフィスにとらわれない、ITを活用した柔軟な労働形態)を推進してきました。しかしその浸透は緩やかで、令和元年11月の調査で「テレワークという働き方を知っている」と回答した人の割合は32.7%に留まっていたのです。
ところが、新型コロナウィルス流行による緊急事態宣言が発令された令和2年3月には、テレワークの認知度は90%を超えました。さらに毎日新聞の調査によると、国内主要企業の9割が「コロナ収束後もテレワークを継続する意向」と回答しています。
テレワークおよび在宅勤務の急激な普及により、間取りの常識にも変化が現れています。住宅設計・建築会社のオープンハウス・アーキテクトは、新しい時代の住宅構想として「LWDK」を発表しました。LWDKの“W”は、「ワークスペース」、在宅勤務の空間を意味します。これからの住まいづくりの新常識として、間取りの選択肢のひとつにワークスペースが加えられそうです。
ワークスペースの種類
オープンタイプ
LDKなど、パブリックスペースの一角にデスクを設ける方法です。お子さまの勉強や作業場所として、家族で兼用することもできます。もっとも手軽に導入しやすく、省スペースです。
セミオープンタイプ
収納や壁で空間をゆるやかに仕切り、ワークスペースを確保する方法です。家族の雰囲気を感じつつ、気持ちを切り替えやすくなります。LDK以外に、パントリーや寝室の一角にデスクを設けるケースも。
クローズドタイプ
完全個室として、専用の仕事部屋や書斎を確保するタイプです。集中して仕事に取り組むことができ、ウェブ会議に家族が映り込んでしまう可能性も低いです。個室は自宅ワークスペースの理想として挙げる人が最も多いですが、ある程度の床面積が必要になります。
自宅ワークスペース事例1【オープンタイプ】
寝室の一角にデスクを設けた事例です。お子さまと並んで作業することも可能な広さを確保し、棚の下に照明を設けました。海を思わせる爽やかなブルーの壁は、白を基調とした空間のアクセントとなっています。
自宅ワークスペース事例2【オープンタイプ】
LDKの一角にコンパクトなワークスペースを設けた事例です。
前面に引き戸が設けられているため、デスクに書類を広げたままでもまるごと隠すことができます。
上部には可動棚、足元にも棚板を設けているため、資料や文房具をすっきりと片付けられる機能的なワークスペースです。
自宅ワークスペース事例3【セミオープンタイプ】
リビング・ダイニングの一角に設けた畳の小上がり。その奥にあるワークスペースです。
かまくらのようにこもったダークブルーの空間で、作業に集中することができます。
書籍や書類を収納できるよう、デスク上部とサイドに棚を設けました。
自宅ワークスペース事例4【クローズタイプ】
寝室に隣接する納戸にデスクを設け、書斎や仕事部屋としての利用も可能なスペースです。
クローズな空間としても、引き戸を開けてオープンに使用することもできます。
半透明なタペガラスの引き戸は、閉めても光が届き閉塞感がありません。
自宅ワークスペース事例5【クローズタイプ】
こちらは、落ち着いたダークトーンでまとめたクローズタイプの書斎。本棚に囲まれた空間で、調べ物や作業に没頭できそうです。一角に畳敷きのスペースを設けており、気分転換にごろりと寝転んで読書をしたり、休憩したりすることができます。
まとめ
コロナ禍により急激に浸透した在宅勤務。コロナ収束後もテレワークを継続するという意向の企業も多く、住まいにおけるワークスペースの確保は新しい常識となっていきそうです。
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