「インテリアにこだわったカフェを開きたい」
「厳選したコーヒーと音楽のカフェをつくりたい」
カフェ経営に憧れる人は多いのではないでしょうか?
…でも、店舗を借りての開業はハードルが高いですよね。
それならば、自宅カフェはいかがですか?
自宅カフェとは?
個人宅の一部を利用した「自宅カフェ」が注目を集めています。その営業形態はさまざまで、土日のみの週末カフェ、不定期オープンなど、さまざまなお店があります。近年はSNSで人気を集めるお店もあり、目立つ看板を出さずに営業することも可能です。
開業資金を抑えることができる
飲食店を経営するにあたり、大きな割合を占めるコストが賃料です。まずは初期費用として賃料の6〜12ヶ月分、そして売上が多くても少なくても毎月一定の賃料を支払う必要があります。
自宅カフェなら、店舗の賃料が不要のため、開業コストを大幅に抑えることができます。店舗開業への足がかりとして、まずは低リスクな自宅カフェから始めようと考える人も多いようです。
自宅カフェ開業の準備
自宅カフェといっても、そのまますぐに開業することはできません。どのような準備が必要なのか確認してみましょう。
食品衛生責任者
飲食店を開業するには、そのエリアを管轄する保健所による営業許可が必要です。また、施設ごとに食品衛生責任者を定める義務があり、その資格を取得するために、自治体等が定める講習会を受講する必要があります。なお、調理師や栄養士等の資格を持っている人は、講習会を受けずに食品衛生責任者になることが可能です。
営業許可の種類
飲食物に関する営業許可は、食品の種類により細かく定められていますが、カフェ開業で必要になる一般的な許可は下記のとおりです。
・喫茶店営業許可:飲み物(酒類以外)、調理しない食品のイートイン販売
・飲食店営業許可:飲み物、調理した食品のイートイン販売
・菓子製造許可:パンやスイーツ類のテイクアウト販売
「喫茶店営業許可」の場合、ソフトドリンクのほか、仕入れた菓子類をそのまま提供することのみ可能です。酒類の販売や、パスタやカレーなどの調理をする場合は、「飲食店営業許可」が必要になります。また、パンやスイーツのテイクアウト販売をする場合は「菓子製造許可」も必要です。
内装工事(リフォーム)が必要
自宅カフェといっても、自分や家族の食事を調理するキッチンとカフェ用のキッチンを併用することはできません。内装工事(リフォーム)を行い、基準を満たすキッチンを新たに設ける必要があります。
●飲食店キッチンのおもな条件
・調理場と客席エリアが仕切られていること
・シンクが2槽以上あること
・調理場に手洗いがあり石けん液があること
・従業員と客用のトイレが分かれていること
用途地域を確認する
用途地域とは、都市計画法に基づきエリアの種類を住居地域や商業地域など13種類に分けたものです。用途地域ごとに、建てられる建物や営業できる店舗の種類が定められています。
いわゆる<閑静な住宅街>に多い「第一種低層住居専用地域」は、制限がもっとも厳しくとなっており、飲食店を出店する場合は「兼用住宅で、非住宅部分が50㎡以下かつ建物の延べ面積の2分の1未満のもの」となっています。自宅カフェであれば、この条件はクリアできるケースが多いでしょう。また、自治体ごとの条例により、用途地域とは別に制限が定められている場合もあるので確認が必要です。
マンションの場合は規約を確認する
マンションで自宅カフェを開業することは可能なのでしょうか。マンションの場合は、法律上の制限をクリアすることはもちろんですが、管理組合の許可を得る必要があります。まずは管理規約や使用細則を確認のうえで、管理会社に相談してみましょう。
自宅カフェ開業までのステップ
1.保健所へ事前相談
キッチン着工前の図面などを持参して、管轄の保健所の食品衛生担当課へ相談に行きます。
2.営業許可の申請
自宅カフェの設備完成予定日の10日ほど前に、必要書類を保健所に提出します。
●営業申請時の必要書類
・営業許可申請書
・営業設備の概要と図面
・許可申請手数料(地域により異なる、東京都目黒区の場合18,300円)
・登記事項証明書(法人の場合のみ)
・水質検査成績書(貯水槽、井戸水使用の場合のみ)
・食品衛生責任者の資格を証明するもの
3.施設検査の打ち合わせ
保健所の担当者と、施設検査の日程を打ち合わせしておきます。
4.施設の検査・確認
工事が完了したら、保健所の担当者が現地に出向き、自宅カフェの設備が申請の内容に合致しているか、基準を満たしているかの確認をします。基準に適合していない場所がある場合は、指摘された部分を改善し、再検査を受けることになります。
5.営業許可書の交付
保健所に出向き営業許可書の交付を受け、晴れて営業開始となります。
自宅カフェ開業の注意点
コスト意識を持つ
自宅カフェは仕事の場とプライベートの距離がないため、お店の経費で購入したものを自宅で使用したり、私的に購入した物をカフェで使用したり、コストの公私混同が起きやすくなります。お店の経費と私的な出費は、きちんと切り分けて管理しましょう。
どれだけの経費が掛かっているのか、利益はどれくらいなのかをしっかり把握できないていないと「利益が出ているように見えたのに本当は赤字経営だった」、といった事態にもなりかねません。
プライベート、セキュリティに注意
自宅カフェを開くということは、自宅に不特定多数の人が出入りすることになります。リノベーションの際には、プライベートエリアを区切って鍵を掛けられるようにするなど、セキュリティの強化も行いましょう。
ご近所への配慮も忘れずに
自宅カフェの多くは住宅地で開業することも可能なため、ご近所への配慮も忘れずにおきたいもの。騒音や駐車トラブル等が起きないよう対策を考えておきましょう。例えば近隣に駐車場がない場合は、お客さまへ「公共交通機関でお越しください」としっかり周知することが大切です。
自宅カフェにおすすめ物件は?
自宅カフェ物件をこれから探す場合は、1Fを店舗、2F以上を住居にできる戸建てやビルがおすすめ。
オンとオフをしっかりと切り分けることができ、セキュリティ面でも安心です。
一般的に飲食店の開業は、オフィス街や駅近の人通りが多い立地が有利です。
ただ最近では、インスタグラムなどでファンを獲得することができれば、不便な場所でも人気になるケースがあります。また、パンやスイーツの通信販売を主力とするなど、カフェの営業を隠れ家的に行いたい場合は、静かな立地がおすすめです。
自宅カフェ向きの物件探しは〈CRAFT ONE〉にご相談ください。物件探しからリノベーションまで、ワンストップにお任せいただけます。
まとめ
自宅カフェのキッチンは、住宅用と併用することはできないため、基準を満たす調理場のリフォーム・リノベーションが必要です。ですが、大きなコストとなる店舗の賃料が不要のため、一般的な飲食店に比べて費用を抑えて低リスクに開業することができます。こだわりの自宅カフェで、夢を叶えてみませんか?
マンションや戸建てのリノベーション事例を多数ご紹介しています。自宅カフェの開業をお考えの方もご相談ください。