無垢フローリングと、ナチュラルインテリア。これほど最強な組み合わせはないかもしれません。
ナチュラルインテリアとは、明るい色の木や白でまとめた空間のこと。木製のテーブルやイス、TVボードやカウンターなど、たくさんの木に包まれたぬくもり。素朴で、やさしくて、どんな疲れた心もいやしてくれそう。流行ではなく、定番として常に人気があるのは納得できますね。
こうしたナチュラルインテリアは、無垢のフローリングにこだわると、心地よさがアップします。存在の大きな無垢のフローリング。空間のイメージを大きく変える力があるのです。ただし、存在感が大きいぶん注意が必要。ちょっとイメージと違う無垢フローリングを選んでしまうと、理想のテイストから大きくズレてしまいます。多少時間がかかっても、じっくりと選びましょう。
今回は、無垢フローリングを使ってナチュラルインテリアを実現した例をご紹介します。
ぜひ、お気に入りの無垢フローリングを見つけてください。
〈無垢フローリング1〉森の中にただずむような パイン
明るい木肌とリズミカルな節で、森の中にいるような雰囲気をつくります。
ナチュラルインテリアの代表格、パインの無垢フローリングです。
明るい木肌に大きくはっきりとあらわれた節が特徴。ナチュラルな雰囲気がお好きな方から人気です。空気をたくさん含み、冬はあたかい。そのため、ログハウスにもよく使われています。
こちらのお住まいは、邸内の床をパインの無垢フローリングで統一しています。TVボードやデスクもパイン材で造作。空間全体ににぎやかな雰囲気が生まれ、お子さまたちもたのしそうに駆け回っているのだとか。
なんといってもパイン材の魅力は、肌ざわりのやわらかさ。そのために収縮性(ふくらんだり、しぼんだり)が強く出てしまいますが、そんなことは気にならなくなるはずです。足の裏に触れたときの感触はふわりとやさしい。まさにスリッパいらずです。床に座ったり、ごろごろしたい方におすすめの無垢フローリングです。
小さなお子さまのために「子供部屋だけパインの床」というのもよいでしょう。
〈パイン無垢フローリングの特徴〉
・リズミカルで大きな節
・カジュアルな雰囲気
・素足にもあたたかい
〈無垢フローリング2〉白シャツのような清潔感 メープル
乳白色と繊細な木目、つるつるとした質感。さわやかなナチュラルさを演出します。
洗いたての白シャツのような清潔感が魅力の、メープルの無垢フローリングです。
そんなさわやかさからは想像できないほど、硬くて摩擦に強いのも特徴。経年でやや色が深まるものの、大きく変化するわけではありません。アンティーク家具やヴィンテージ家具など濃い色の家具は避け、できるだけすっきりとしたものを選ぶとよいでしょう。
こちらのお住まいは、床にメープルの無垢フローリングを張りました。それに加え、キッチンカウンターの天板、デスク、収納カウンターをメープル材で統一。明るくナチュラルなインテリアでまとめています。
やさしいメープルの素材感を引き立てるのは、壁や天井、収納扉に使った白。白×明るいメープルの組み合わせは、もはやナチュラルインテリアの鉄板です。どんな人でも心地よく包み込む、メープルの無垢フローリングもおすすめです。
〈メープル無垢フローリングの特徴〉
・乳白色で繊細な木目
・清潔感がある
・摩擦に強い
〈無垢フローリング3〉日本人のDNAを呼び起こす 杉
素直すぎるくらいまっすぐな木目と、明るい色合いがすっきりとしたイメージをつくります。
素朴で飾らないナチュラルさが人気の、杉の無垢フローリングです。
脂が少なく加工しやすいことから、昔から日本でも柱や廊下、天井などに使われてきました。なんだか懐かしいような雰囲気を感じるのは、私たち日本人の暮らしになじみ深いからかもしれません。和の空間にもぴったりです。
ちなみに日本では、〈家で靴を脱ぐ〉風習がありますね。ふわりとやわらかくあたたかい杉の無垢フローリングは、そんな暮らしにぴったりです。傷つきやすいという欠点があるものの、素足で過ごす空間には杉のようにやわらかい無垢フローリングを選ぶのがよいでしょう。
保湿性が高いことも、杉の無垢フローリングのメリットです。湿気を吸収し乾燥時に放出するため、自然の力で快適に過ごすことができます。
こちらのお住まいも、素足で過ごす寝室には杉の無垢フローリングを張りました。天井は桐、壁は珪藻土。自然素材に囲まれて、お休み前のひとときをリラックスして過ごせるようになったそうです。
〈杉の無垢フローリングの特徴〉
・木目は直線ですっきり
・和も洋も合う
・ふわりとやさしい歩き心地
〈無垢フローリング4〉大人のナチュラル ヨーロピアンオーク
大きくうねる木目と堂々とした重厚感が、質の高さを物語っています。
気品あるたたずまいで人々を魅了するのが、ヨーロピアンオークの無垢フローリングです。
こちらのヨーロピアンオークが育つのは、ヨーロッパの土壌です。ギリシャ・ローマ時代から家具に使われてきた伝統と、堂々とした気品。オークの中でもやや価格が高くなりますが、ゆったりとした空間を見ると、決して高い買い物ではありません。
経年すると少しずつ深みを帯びて、重厚感が増してきます。世代を越えて長く使い続けることができるのも、無垢フローリングの魅力です。幅広のフローリングをゆったりと張れば、より存在感が増すでしょう。
こちらのお住まいには、ヨーロピアンオークの無垢フローリングを張りました。
先ほどご紹介したパイン、メープル、杉とはちょっと雰囲気が変わりますが、落ち着きがあり、大人のナチュラルなインテリアをつくります。船底天井にはオークのパネルを張り、リラックスした雰囲気に。リビングとダイニング、どちらもヨーロピアンオークの無垢フローリングを使っています。しかしリビングはオイル塗装のみ、ダイニングはスプーンカットに。スペースごとに仕上げを変えて、ゾーニングするのもおすすめです。
〈オークの無垢フローリングの特徴〉
・木目はおだやかで控えめ
・大人っぽい気品がある
・経年するともっと素敵に
まとめ
ナチュラルインテリアにぴったりの無垢フローリングをご紹介しましたが、いかがでしょうか。
パイン、メープル、杉、ヨーロピアンオーク、どれも明るい色合いが特徴です。ただし、どれもイメージに幅があるため、どの木がどのようなイメージをつくるかをきちんと理解することが大切です。
パイン…あかるくにぎやか
メープル…さわやかな清潔感
杉…すっきりとした趣
ヨーロピアンオーク…落ち着いた気品
お持ちの家具や、理想の空間にぴったりな無垢フローリングを選びましょう。