大谷石を使ってリノベーション。本物の美に迫る | リノベーションスープ

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大谷石を使ってリノベーション。本物の美に迫る

大谷石を使ってリノベーション。本物の美に迫る
大谷石を使ってリノベーションするならcraft

大谷石をご存知ですか?

古くからある住宅街を歩いていると、塀に大谷石が使われていることがあります。やわらかく明るい石に、黒い斑模様のミソ(穴)。これが、大谷石のやさしい表情をつくり出しています。古来から建材として使われて来た大谷石は、最近、内装にとりいれられることも少なくないようです。

たとえば壁に貼ってみると、空間にほっとするようなぬくもりが。

これから
・大谷石とは(歴史、産地など)
・大谷石の美しさ
・大谷石のデメリット
・大谷石を使ったリノベーション実例
・大谷石採石場
・大谷石建築

についてご紹介します。

大谷石とは

大谷石を使ってリノベーション。本物の美に迫る
linea

大谷石の産地は、栃木県宇都宮市です。2千万年前に怒った火山の火山灰が、地上や海に積み重なってできたもの。やわらかく、加工がしやすいため、7世紀ごろからすでに古墳などの建材として使われていました。

それから現在まで重宝されてきた大谷石。1922年には、フランク・ロイド・ライドによる旧帝国ホテルに、1951年には坂倉準三が手掛けた神奈川県立近代美術館にも使われています。また1950~70年代にかけては、一般住宅の石塀や門柱に多く使われてきました。

最近では、マンションのエントランスに使われることもあるようです。クールな空間に大谷石があるだけで、ほっとする空気感が生まれます。

大谷石の美意識に迫る

なぜ今、大谷石が見直されているのでしょうか。

昔の人々が重宝したように、〈軽くて加工しやすい〉だけが理由ではありません。大谷石だけが持つやわらかさ、ぬくもり。そんな美しさにひかれて、大谷石のファンになる方もいるようです。

大谷石の美しさのひとつに、大谷石特有のミソ(穴)があります。表面にあらわれた無数のミソ。火山灰に紛れ込んだ木片などが、長い時間を隔て、大谷石の表情をつくっています。

また、大谷石の魅力は色にもあります。うっすらと緑がかっている大谷石。すっきりとしたうつくしさがあり、クールな空間にもマッチします。屋外で雨風にさらされると、やがてうっすらとした茶色に変化。ゆっくりゆっくりと時間をかけて、趣やぬくもり、重厚感が積み重なっていくこともにも、大谷石の美が詰まっています。

大谷石のデメリット

ただし、屋外に使われた大谷石は経年変化に歯止めがききません。強い雨風にさらされ、やわらかい石肌が穿たれ、ミソは巨大な空洞に変化。角は欠け、ぼろぼろと剥がれてくることも。また吸水性がよい大谷石は、苔やカビで黒ずんでしまいます。

それが味わいと感じることもできる反面、「なんだか汚れちゃったな」と思う人もいるかもしれません。つまり、大谷石の魅力がそのまま弱点につながっているということ。

経年変化がいちじるしい大谷石を、うまく住まいに取り入れる方法はないのでしょうか。そこでおすすめしたいのが、インテリアとしての大谷石です。

大谷石はリノベーションでも人気

先述したように、大谷石は室内で使われることが多くなりました。こちらはリノベーションしたマンション。お施主さまのご希望により、床や家具にウォールナットを取り入れました。そこに合わせたのが、ウォールナットと相性のよい大谷石です。

壁に貼った大谷石が、シックな空間の心地よいアクセントに。都心のマンションにかかわらず、避暑地を訪れたようなくつろぎを感じます。

やわらかい石肌に斑模様がひろがっていて、おっとりとした空気感をつくります。

注目したいのは、大理石の天然ゼオライト成分。たくさんのマイナスイオンと遠赤外線を放ち、いやし効果を発揮します。また、たくさんの穴がある多孔質構造が、有害物質を吸収。シックハウス対策としても有効です。

大谷石は多くの空気を含んでおり、断熱効果・調湿効果・脱臭効果があることもポイント。このことからも、室内にぴったりの石だと言えますね。

大谷石に圧倒されたいなら大谷石採石場跡へ

大谷石を使ってリノベーション。本物の美に迫る
「大谷石の地下採掘場跡へ」クラフトのblog

大谷石の産地、栃木県宇都宮市。ここに、1919年~1986年までの67年間、大谷石を掘り出してきた大谷石採石場跡があります。深さ30m、約2万㎡にもおよぶ大きな地下空間は、ちょっとこわいような、でももっと進んでいきたいような。とにかく想像以上の迫力です。

しかし、ほの暗い空間で見る大谷石は幻想的なうつくしさ。ライトによって大谷石の凹凸が際立ち、べつの表情をみるようです。

コンサートや映画、PVの撮影にも使用されています。最近では[Alexandros]のPVにも使われていたとか。ロックとの相性もよい、大谷石。人気はこういったところからも派生しているのでしょうか。

JR宇都宮駅から関東バス大谷・立岩行で30分資料館前下車徒歩5分、宇都宮ICから車で15分。年間を通じて8℃くらいの気温で、夏の観光スポットとしてはおすすめです。
 
大谷石資料館 HP

大谷石を身直に感じたいなら日本民藝館へ

大谷石を使ってリノベーション。本物の美に迫る
大谷石を使った日本民藝館

大谷石建築の代表といえば、フランク・ロイド・ライトの設計した旧帝国ホテル本館が有名ですね(現在は、玄関のみ愛知県犬山市の明治村に移築)。そのほか、池袋の自由学園明日館にも大谷石がふんだんに使われており、ライトの大谷石好きがうかがえます。

そしてもう1人、大谷石を愛した人が。美術研究家であり、民藝運動の指導者である柳宗悦です。彼が1936年に創設した日本民藝館には「ここにも?」というくらい大谷石が使われています。

場所は都内の駒場公園のとなり。建物をぐるりと囲む大谷石の塀。門柱や床も、堂々たる大谷石です。さらに屋根にも大谷石が葺かれていました。大谷石屋根は、栃木で目にした柳宗悦が「ぜひ石屋根にしたい!」と、とり入れたものだとか。瓦のような曲線はなく、雨水の溝を削り込んだシルエットがクールです。

ユニークなのがもうひとつ、外壁の大谷石のなまこ壁です。土色に変色した大谷石が、訪れた人をほっとさせるような雰囲気。こちらは、柳宗悦が自身でデザインしたそうです。大谷石に見せられた柳宗悦は、次のような言葉を残しています。

『質が堅くないだけに、石に連想される冷たさがない。丁度石と木との間のような性質がある。堅くないだけに親しみやすい。何も上等な石というわけではいが、私は大谷石に日本的なものを見出さないわけにゆかぬ』

”石と木の間のような素材”なんて、言い得て妙ですね。まさに、木のようなぬくもりと、石のような重厚感を備えた特別な石です。

1936年、民藝運動の指導者の柳宗悦が創設しました。塀や門柱、床、屋根、そして外壁のなまこ壁にも大谷石が。ここを訪れれば、大谷石建築の魅力がわかりそうです。
 
日本民藝館 HP

まとめ

大谷石の魅力をお伝えしましたが、いかがでしょうか。

日本の伝統素材の大谷石。戦前もフランク・ロイド・ライトや柳宗悦に愛され、戦後もたくさんの人々に重宝されてきました。そして今、大谷石のよさがふたたび見直されています。

やわらかく、表情がゆたかで、経年変化をたのしめる大谷石。視界に入るだけで、心を落ち着かせてくれるパワーを持っています。

大谷石はアクセントになりますが、控えめなのでどのような空間にも合わせやすいのもメリットです。
リノベーションで、モダンなインテリアにプラスしてみてはいかがでしょうか。

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