新築ではなく、中古のマンションを買ってリノベーションする人が増えてきました。理由は、コストや環境、資産価値など、中古マンションのリノベーションには大きな価値があるからです。
これから
1_中古マンションをリノベーションするメリット
2_中古マンションをリノベーションするデメリット
3_中古マンションをリノベーションするときの注意点
ご紹介します。中古マンションのリノベーションをお考えの方は、ぜひこちらを読んでみてください。
中古のマンションをリノベーションするメリット
〈1〉資産価値の下がり方がおだやかで、損した気分にならない
新築のマンションの価格には、〈広告費〉〈モデルルームの運用費〉などが上乗せされています。つまり、買った瞬間から資産価値が1~2割も減ってしまうんです。
新築で買ったマンションの別の部屋が安く売り出されていたら、なんだかモヤモヤしますよね。
これに対して中古マンションは、”資産価値が下がらない”とまではいきませんが、新築に比べると下がり方はとてもおだやかです。築20年以上の中古マンションなら、そこから大きく下がることはないでしょう。こういった中古物件を買ってリノベーションすれば、間取りも自由にできるし、新築も目じゃないくらいモダンな空間をつくることができます。
グレートにもよりますが、一般的にはリノベーション費用を入れても新築の2/3程度に抑えられると言われています。
〈2〉新築の6割くらいの値段で買える
都心の中古マンションは、同じ条件なら新築の6割ほどの価格で購入できる場合もあるとわかっています。(物件によります)
たとえば新築マンションの価格が5000万円だとすると、同じ立地・広さの築20年のマンションは3000万円。
築1~2年のマンションでも、新築に比べて1~2割安くなっています。築年数によっては半額になることもありますから、かなりコストを削減できますね。リノベーションで内装や設備を変えるとしたら、既存の古さは気にしなくてよいでしょう。
さらに今年10月からは「フラット35リノベ」というリノベーション専用住宅ローンがスタートする予定。中古物件購入とリノベーションを同時に行う場合、借り入れ金利が一定期間引き下げられます。中古マンションを買ってリノベーションする方にはお得なローンです。
〈3〉実際に物件を見て買うことができる
新築マンションは仮設のモデルルームを見て購入を決断することがほとんど。これでは実際の陽当たりや窓からの眺め、風通しがわかりません。エントランスやエレベーター、共用廊下も”勝手からのおたのしみ”状態。実物を見てがっかりすることもないとは言い切れません。
そのほかにも、上階の足音や近所の視線が気にならないか…など、実際に物件を見ないとわからないことばかり。いざ暮らしてみて「想像していたより窓の外の音が気になる」「洗濯物が近所に丸見えだった」ということも。
その点、現状を確認できる中古マンションは安心。目や耳を凝らしてしっかりとチェックしてください。
さらに「マンションは管理を買え」というほど、管理状態は大切です(理由は後述します)。〈中古マンションの購入で注意すべき3か条〉の記事でもでご紹介した
・エントランス、エレベーター、廊下、駐車場、駐輪場、ゴミ捨て場はキレイに清掃されているか
・廊下の電気が切れたままなど、共用部分で放置されている箇所はないか
・管理人は常駐か、不在時間はいつか
・過去に修繕された記録はあるか、今後の長期修繕計画はあるか
といったチェックポイントも、中古マンションなら確認できます。
〈4〉都心エリアの立地がよいところに住める
先ほどお伝えしたように、中古マンションはだいたい新築の6割ほどで買えると言われています。つまり
コストを抑えられる
↓
経済的に余裕ができる
↓
都心の人気エリアのマンションにも手が届きやすくなる
ということ。これまで「予算が足りない」と諦めていたエリアにも手が届くかもしれません。
そしてもうひとつ、中古マンションは都心の好立地に多いということも見逃せません。
当然ですが、マンションは人気エリアの立地のよい場所から建てられていきますね。たくさんの土地があるのに、わざわざ立地が悪い場所に建てることはありません。ですので後から建てられたマンションは、どうしても駅から遠かったり、陽当たりが悪かったり。中古マンションのほうがいい場所にある確立は高いのです。
中古マンションリノベーションのデメリットをあえて言うなら
〈1〉リノベーションできない部分がある
マンションには、リフォームできない”共用部分”があります。たとえば、玄関ドアやサッシを変えたり、スラブを削って天井高をアップすることもNGです。トイレやキッチンの移動は、共用の縦配管を使える範囲に限定されます。
また管理規約によって”フローリングがNG”なケースも。とくに管理がしっかりしているヴィンテージマンションや高級マンションほど、管理規約が厳しい傾向に。
デザインやプランの工夫でカバーできるケースもありますが、それもリノベーション会社の力量次第です。間取り変更を伴う大規模なリノベーション実績が多い会社に依頼しましょう。
〈2〉新築マンションにはないコストがかかってくる
中古マンションのデメリットと言えば、修繕積立費の高さです。なぜ高くなってしまうかというと、段階増額積立方式にしているマンションが多いから。新築時は安く設定されていますが、10年単位で修繕積立金が上がり、2倍にまでなってしまう場合も。これは新築マンションを売る時にランニングコストを安く見せるためのトリックなのですが、中古で買う人には迷惑な話ですよね。
これまでの「修繕積立金を変わりに払ってもらった」というメリットを思えば、まあ仕方ないかな~と諦めがつきますが。
そしてもう1つ、仲介手数料がかかること。新築の場合は販売会社から直接購入するため仲介手数料は不要です。しかし中古マンションは不動産会社に上限(物件価格×3%+6万円)×1.08(消費税)の仲介手数料を支払うことに。
たとえば3000万円の中古マンションを買うと、仲介手数料は103万6800円です。
〈3〉手間と時間、そして情熱が必要
新築マンションのように物件を買ったら引っ越すのみ…というわけにはいきません。リノベーションを完成させるという大仕事が待っています。もちろんリノベーション会社がプランニングをするわけですが、住み手の意志がなければプランはできません。全部を人任せにするくらいなら、新築マンションを買った方がいいでしょう。
リノベーションの醍醐味は、あなただけのオリジナルのプランで住まいをつくること。ですから、リノベーション会社の設計士と何度も打合せを繰り返してプランを決め、さらに床・壁・天井の素材やキッチンなども決めなければなりません。ドアやドアノブも全部、ご自身で決めます。ここが新築マンションと大きく違うところ。
「ディテールにとことんこだわって納得のいく住まいをつくりたい」という情熱的な方にはリノベーションはオススメですが、「あまり時間をかけたくない」「こだわりなんてない」という方には向いていないかもしれません。
中古のマンションを買ってリノベーションするときの注意点
〈1〉マンションは管理を買え!?
「老朽化したマンションって建て替えるんでしょ?」と思っていらっしゃるかもしれませんが、実際に建て替えられたケースはほんとうに少ないです。
なぜなら、建て替えには高いハードルがあるから。区分所有者の5分の4以上の賛成が必要なうえ、数千万円の負担金がかかります。年配の方が多いマンションだと「仮住まいとか面倒だし、お金もないし。もうこのままでいいよ~」という方も少なくないでしょう。
そこで重要になるのが、マンションの管理状態。RCマンションの寿命は47年と言われていますが、しっかりとメンテナンスを行えば寿命は100年以上。きちんと施工されていて、管理状態のよいヴィンテージマンションなどはもっと寿命が長いはず。
そのため、築10年のマンションでもまったくメンテナンスがされていなけれは、ボロボロです。古いけどしっかりとメンテナンスされていて清潔で趣のあるヴィンテージマンションと、築浅だけどメンテナンスもなく共用部分の劣化も放置されているマンション。どちらが人気があるかは言うまでもありません。
〈2〉リノベーションで好きな間取りにできるか?
中古マンションを購入する前に注意したいのが希望の間取りに変えられるかということ。
ふつうのマンションは、壁を動かして空間を広げます。しかし耐力壁は動かせず、間取りを大きく変えることができません。水まわりも、思い通りに動かせないことも。排水管の勾配を確保できなかったり、マンションの共用の配管スペースの場所、マンションの管理規約といったさまざまなことが原因です。
「そんなこと自分でわかるはずがないじゃん!」という方は、購入前にリノベーション会社に声をかけてみましょう。たいていの会社なら、物件購入前の内覧に立ち会ってくれます。理想どおりの間取りにリノベーションできるかを聞いてから、購入を決めても遅くはありません。
もっとスムーズに物件探しを進めたいなら、物件探しからリノベーション会社に任せるのがおすすめです。はじめに理想の間取り、暮らし方などを伝え、ご希望通りにリノベーションできる物件だけをセレクトして紹介するため、貴重な時間をムダにしません。
まとめ
中古のリノベーションについてご紹介しました。メリットとデメリットをもう一度おさらいしましょう。
中古のマンションリノベーションの〈メリット〉
・資産価値の下がり方がおだやかで、損した気分にならない
・新築の6割くらいの値段で買える
・実際に物件を見て買うことができる
・都心エリアの立地がよいところに住める
・新築マンションより引き渡しが早い
中古のマンションリノベーションの〈デメリット〉
・リノベーションできない部分がある
・新築マンションにはないコストがかかってくる
基本的に新築マンションは、基本は完成前に物件を販売する青田売りがほとんど。契約~入居までの期間は、マンションによりますが3ヶ月~12ヶ月ほど。タワーマンションなど大規模になると、2年以上も待つことも。
「子供が小学校に上がるまでに」「転職のタイミングで引っ越したい」という方は、中古マンションを買ってリフォームしたほうが計画通りに進む場合があります。
こうして見ても、中古マンションのリノベーションには大きな価値があることがわかります。なんと言っても中古マンションのリノベーションは、自分らしい暮らし方ができることに価値があると思います。住む場所・間取り・デザインにこだわりながら、自分だけの住まいをつくる。一戸建ての注文住宅と同じくらい自分のこだわりを追求できるのです。
これまで新築マンションだけを見ていた方は、物件数の少なさ、予算的な部分で諦めていた部分もあったのではないでしょうか。中古マンションリノベーションなら選択肢が広がり、妥協せず「一生暮らしたい」と思える住まいを手に入れられるはずです。
マンションリノベーションの事例を多数ご紹介しています。お好きなホテルで暮らすような華やかなライフスタイルを、リノベーションで叶えてみませんか?
craftマンションリノベーション