最初にはっきりと言います。
キッチンのリノベーションで優先すべきは、使い勝手と居心地のよさです。
主婦がキッチンに立っている時間は、思いのほか長い。ときどき「キッチンに立つのが憂鬱だ~」「はやくリビングでくつろぎたい!」なんて思うのは、居心地がよくないから。
自然光が届き、生活感がなく、伸びやかで美しいキッチン。まるでリビングでくつろぐようで、長時間いても苦痛になりません。さらに「もっとおいしい料理をつくろう」という家事の活力が生まれてきます。
これから、使いやすくて居心地のよいキッチンの4つのポイントをご紹介。スーパー主婦を目指す方は必見です。
〈1〉動線は川の流れのように
キッチンのリノベーションでまずしっかりと計画したいのが、動線です。
料理をダイニングに運んだり、食材を冷蔵庫にしまったり。さらにはビーフシチューを煮込んでいる間に洗濯物を干したり、子供のおむつを替えたり。スーパー主婦は、マルチタスクでさまざまな家事をこなさねばなりません。
それなのに、あっちに行き止まり、こっちに行き止まり…となると、いちいち家事が中断してストレスがでてきます。もっとストレスフリーで家事をする方法はないのか?と考えた時に、しかるべき動線が生まれます。
・キッチンの左右から出入りできる
・廊下~キッチン~ダイニングと回遊できる
・洗面室とひと続き
など、あくまで一例ですが、こういったスムーズな動線によって家事効率が格段にアップします。
〈2〉モノはためらうことなく隠す
オープンキッチンのリノベーションでぜひ取り入れたいのが、目隠しです。
食器や調味料、食品ストックなどが表に出ていると、散らかった印象になりがちですね。かと言って、しょっちゅう使うものをいちいち片付けるのは大変。オープンキッチンほど、生活感のない状態をキープするのは難しそうです。
そこでご提案したいのが、すべてを目隠するキッチン。食器棚、オーブンレンジ、炊飯器などが入った壁面収納をすっぽりと扉で覆います。雑多になりがちなオープンキッチンも、いつもすっきりと清潔です。収納の扉は鏡面。窓の景色や階段のシルエットが映り、キッチンに奥行きをつくります。
「キッチンカウンターも散らかったところを見せたくない」と美意識の高い方は、手元を隠しましょう。キッチンの前に腰壁を立ち上げれば、リビング・ダイニングからの視線を遮ります。
〈3〉道具はパントリーにひとまとめ
キッチンのリノベーションで、たびたび登場するのがパントリーです。
「使いやすいの?」「でもスペースとるよね?」なんて疑問をお持ちの方も多いのでは。基本的にパントリーは、”今お持ちのモノ”と”これから増えるであろうモノ”、また奥さまの家事動線を考えながらサイズと位置を計画します。
食品ストックが多いお住まいは、食材をさっと運べるように玄関・キッチン間にパントリーを設けることも。使いやすい間取りはそれぞれのご家庭で違います。慎重に検討しましょう。(検討した結果「やっぱりいらないね」となるケースもありますが、それはそれでOK)
ちなみにこちらは、キッチンにパントリーを造作した実例です。
大きな黒い箱はオブジェのようにキッチンにインパクトを与え、中はコの字型ですべての食器が一目瞭然。料理の合間に「あの食器に盛ったらおいしそう~」なんてひらめいたら、ささっと取り出しやすい。使い勝手のよさもポイントです。
〈4〉家族と景色が見えるから
キッチンのリノベーションにおいて、居心地のよさをつくる大きな要素となるのが見通しです。
家族とコミュニケーションをとるのも見通し。
リラックス気分で料理をさせてくれるのも見通し。
リビングやダイニングに向けて家族の様子を見守るキッチン。あるいは、庭やバルコニーに向けて見晴らしのよいキッチン。レイアウトを工夫するだけで、開放的で居心地のよいキッチンに変わります。
そんな空間なら、小さなテーブルを置いて奥さまの作業スペースにするのもよいでしょう。料理の下ごしらえはもちろん、軽食をとったり、本を読んだり、お茶したり。キッチンと言うよりも、奥さま専用の個室のようにくつろげる、素敵な空間です。
まとめ
キッチンをリノベーションするとき、まず一番にインテリアやデザインを考える方は多いのではないでしょうか?
しかしいくらオシャレでも、落ち着かなければよいキッチンとは言えません。一日の大半をキッチンで過ごす主婦にとって、キッチンはリビングのようなもの。リラックスできる空間でいつも清潔、心地よくあるべきです。そこから美味しい料理をつくるモチベーションが生まれてます。
これからキッチンをリノベーションする方は
1)動線をスムーズ
2)ほどよく目隠し
3)パントリーは使いやすくコンパクト
4)家族や景色を見通せるレイアウト
から生まれる使いやすさ・過ごしやすさ意識しながら、理想のイメージを見つけてください。
今回はオープンキッチンの実例でご紹介しましたが、生活感をよりなくしたい方はクローズドキッチンがおすすめです。ただし、完全に独立した空間となるため、動線や光の採り方はより工夫が必要。しっかりとリノベーション会社のデザイナーと話し合い、プランを決めましょう。