「ホームシアターだけは、どうしても譲れなかった」という声は、リノベーションをした方からよく聞きます。
ただし、ホームシアターは「ハイスペックの機材をそろえればよい」というわけではありません。どれだけサプライズや美しさを演出できるかがポイント。
今回は、大型TVとホームシアターの比較、プロジェクターやスクリーンの設置場所、インテリアに美しく溶け込ませる設置方法をご紹介します。
映画が好きなら、ホームシアターは絶対的に満足できる
映画はお好きですか?
お好きだとしたら、「大好きなあの映画を、ウチでも大画面で観ることができたらなぁ」と思うことはあるはずです。スクリーンや大型TVに、5.1chなどのスピーカーシステムを入れて本格的に音響を計画すると、大迫力。1人だけの贅沢なシアターの完成です。
お好きなミュージシャンのライヴ映像やサッカーの試合を大画面で観るのもいいですね。ホームシアターを導入するメリットは映像やスポーツを映画館のような大画面でたのしめること。むしろ、それ意外にメリットは考えられません。
プロジェクターにするか?大型TVにするか?
「プロジェクターにするか」「それとも大型TVにするか」ということで迷っている方も多いようです。
それぞれの特徴をあげてみました。
〈プロジェクター〉
・100インチ以上の大画面で迫力ある映像をたのしめる
・大型TVに比べると低価格で導入できる
・いつもはスクリーンを上げてすっきり
・プロジェクターの種類によってはある程度のスペースが必要
・部屋が明るいと映像が見えづらい
〈大型TV〉
・日常的に観ることができる
・明るい空間でも観やすい
・大画面だと高い(メーカーによりますが65~75インチで100万円近く)
こうして比べても、スペックはまったく異なります。『ホームシアターは趣味で、TVは日常』と考えた方がよさそうです。「普段はTVを観ない」という方はホームシアターのみでよいかもしれませんが、「いつもニュースを観る」という方は、日常はTVで観て、映画やスポーツはスクリーンで観るというように使い分けることをおすすめします。
シアタールームは必要?
音響や空間にこだわるほどコストはかかりますが、より満足度が高くなることは確か。「石井式リスニングルーム」(※)を取り入れて、どっぷりと趣味の世界をつくり込む方もいるようです。
※室内音響研究のパイオニア・石井伸一郎さんが提唱する音響設計理論
しかし「家族みんなで観ることが多い」という場合、わざわざシアタールームを設ける必要はないでしょう。家族が集まりやすいリビングに設けたほうが、かえって使用頻度が高くなります。ただしリビングに設ける場合は、設備がインテリアの趣を損なわないよう、設置場所や方法に配慮したいものです。
これから、美しくセンスのよいプロジェクタースクリーンの設置方法をご紹介します。
1_スクリーンボックスがあれば、いつもすっきり
リビングのTVボード上にスクリーンを設けました。スクリーンを上部のボックスに格納すれば、すっきりとしたリビングに。
ロールスクリーンがむき出しのままよりも、はるかに洗練された印象です。
2_引き戸で和モダンの趣をキープ
こちらは、リビングの正面に格子の引き戸を設けています。美しい白木の格子。無垢のフローリングや葭(ヨシ)を貼った天井に溶け込み、より趣を深めてくれます。
3_壁をスクリーンがわりに
白く塗装したフラットな壁。壁に余白があれば、プロジェクターの映像を投影することもできます。インテリアとして海や山の景色、ライヴ映像を流すのもよいでしょう。
もちろん上部にはスクリーンを仕込んでいます。壁とスクリーンでは、やはり光の反射が違うため、映像の見え方も若干異なるからです。よりクリアな画像をたのしみたい場合はスクリーンを使用するなど、シーンや目的で使い分けるのがオススメです。
プロジェクターの設置にも気をつけよう
1_棚の中に配置する
ホームシアターを導入するにあたって、検討すべきはプロジェクターの位置。
”天井から吊るす”方法が一般的ですが、専用の棚を設けるのもオススメです。DVDレコーダーといったAV機器も納めることができて便利です。天井に比べてメンテナンスもしやすいですね。こちらは引き戸を閉めるとインテリアの邪魔をしないというメリットも。
棚の位置をスクリーンの画面に合わせることで、わざわざ棚から出して調整する手間もなくなります。
2_天井の中に埋め込む
「棚を設ける場所がない」という場合は、プロジェクターを埋め込むこともできます。
レンズまわりをルーバーで囲むことで、プロジェクターの存在を抑えると同時に熱を逃します。プロジェクターの種類や、スクリーンとプロジェクターの距離といった条件をクリアできれば、このように存在感を抑えられます。もちろんスピーカーも埋め込みました。
また天井にフトコロがあれば、ビルドインでプロジェクターを天井裏に収納することも可能。リモコンで操作して昇降させます。
いずれにしても埋め込み式は、プロジェクターを”吊るす”よりも、よりスタイリッシュなイメージです。
まとめ
ホームシアターのあるリノベーション実例をご紹介しました。
クールなホームシアターのポイントは、機材をできるだけ〈隠す〉こと。
最近では手頃なホームシアターが増え、ご自身で設置する方も多いようです。しかしプロジェクターを天井に設置するには下地の処理が必要ですし、スクリーンを天井に埋め込む場合は掘り込みをつくることになります。また場合によってはご近所に配慮し、しっかりと防音対策することも大切です。
ホームシアターはリノベーション時に導入するか、専門会社に任せたほうがよいかもしれません。
クラフトのリノベーションでは、インテリアに溶け込むホームシアターの設置をご提案します。センスよく取り入れたい方はお気軽にご相談ください。
リノベーションのcraft