ダイニングのペンダントライトは低い位置に設置するため、視界に入りやすい。妥協せずに選びたいものですね。そこで気になるのが、生まれて半世紀以上経った今でも〈名作〉として語り継がれるマスターピースな照明たち。ドイツ、フランス、スウェーデンのデザイナー達が生み出したシンプル、あるいはエッジーなシルエット。リノベーションした住まいに合わせてセレクトするのもおすすめです。
今回は、リノベーション空間をステキに演出する7つの名作ライトをご紹介します。
ペンダントライト選びの3つのポイント
〈高さ〉
ダイニングのペンダントライトを取り付ける時は、だいたいテーブルから70~80cmほど離してつけるのがよいとされています。これを基準にしつつ、ペンダントライトのサイズやデザインによってご自身の”心地よい”高さを見つけましょう。
〈光の色〉
ダイニングで大切なのは、〈料理がおいしそうに見える光〉の電球選び。青白い蛍光色よりも、オレンジの電球色のほうが、あたたかくておいしそうに見えます。
〈明るさ〉
ペンダントライトは明るければよいというわけではありません。ダウンライトと異なり視界に入りやすいため、明るすぎるとかえって眩しくなってしまうことも。雲の隙間の太陽のようなにやさしく食卓を照らすイメージで、明るさを決めましょう。
Giogali35/ジョガーリ35 イタリア1967
ハンドメイドのガラスのオーナメントを、1ピースずつつなぎ合わせたシャンデリア。華やかでモダンなインテリアとして愛されています。使う人の好みやインテリアに合わせて、自由に組み合わせを変えることも特徴です。
曲線のガラスによって光がきらびやかに拡散する様子はとても美しく、ダイニングをゴージャスに彩ります。
デザイナー/アンジェロ・マンジャロッティ(1921-2012)
イタリアを代表する建築家・プロダクトデザイナー・彫刻家。イタリアンモダンデザインを代表する巨匠として知られています。マテリアルを活かした独自のデザインはヨーロッパで高く評価され、数々の賞を受賞。
LE KLINT171A/レ・クリント171A デンマーク1971
それまでのランプシェードのプリーツは直線に折られていましたが、ポール・クリスチャンセンは1枚のプラスチックシートを曲繊に折り、優美でダイナミックな照明をつくりました。
今でもデンマークの工場で、職人によって昔ながらの手法で製造されています。
サイドから見るとユニークな独特のフォルム。下から見上げると花の花弁のような可憐さが。ノルディックデザインを代表するペンダントライトのひとつです。
デザイナー/ポール・クリスチャンセン(1947-)
デンマークを代表するデザイナー。北欧を代表する照明メーカーLE KLINT社(1943-)において正弦曲線を取り入れて革命をもたらし、現在のLE KLINTの骨格をつくりあげました。70年代のクリスチャンセンの作品は、当時のポップカルチャーを代表するように遊び心あふれるデザインが多く見られます。
PH ARTICHOKE/PHアーティチョーク デンマーク1958
1958年、ポール・ヘニングセンがコペンハーゲンの〈ランエリーニュ・パヴィリオン〉を飾るためにデザインした名作。
72枚の羽根が連なるシェードは、その名前のとおりアーティチョークのようなシルエット。
1枚いちまいの羽根に光が当たるように精巧に計画されており、シャンデリアのようなやわらかな光が拡散します。
インパクトのあるデザインだけが注目されがちですが、”いかに自然でやさしい光を食卓に届けるか”を主眼に置いて設計されていることもポイントです。
デザイナー/ポール・ヘニングセン(1894-1967)
デンマークの建築家。1920年代からは照明デザインを手掛け、数々のモダンデザインの傑作を生みだしています。光源をシェードで隠して優しい光をつくるなど、暮らしに配慮したデザインが特徴です。同世代のフィン・ユールやアルネ・ヤコブセン、ミース・ファン・デル・ローエからも愛され、自宅や建築作品に使用されています。
PH5 CLASSIC /PH5クラシック デンマーク1958
こちらもヘニングセンのライトの中で愛されている作品の1つ。
光の考察に注力していたヘニングセンは、大小サイズの異なるシェードで電球を隠し、低く吊るしても眩しさを感じさせない”グレアフリーデザイン”をつくりあげました。(グレア=不快な眩しさ)
「対数螺旋」というカーブのシェードと、内部の反射板の組み合わせによって、やわらかな光が拡散。自然光に包まれているような爽やかさです。
デザインだけでなく、高品質な点でも先ほどご紹介した〈PHアーティチョーク〉と同様です。
Random Light/ランダムライト オランダ1999
空間をふわりとした明るさで包むやさしいペンダントライト。ダイニングだけでなく、こうした吹き抜けにもマッチします。
こちらはMoooi(モーイ)のランダムライトです。風船にグラスファイバーを巻き付けて成形された丸いシェードが特徴。満月が浮いているような、不思議な感覚をもたらします。
ライトのスイッチを入れると、あたりに幻想的な空気が広がります。
デザイナー/ベルトイアン・ポット(1975-)
オランダで注目されている若手デザイナー。2003年には自身のデザインスタジオを設立して以来、前衛的なデザインにチャレンジし続けています。脚立にLEDを取り付けたライトなど、アヴァンギャルドな作品が多いことも特徴です。
Caboche/カボシェ スペイン2006
アクリルでつくられたピースが光を反射・拡散。光の粒子が効果的に広がるように計画された、美しいペンダントライトです。ガラスのように透明度が高く、宝石のようにきらめきます。
パトリシア・ウルキオラとエリアナ・ジェロット、ふたりの女性がヴィンテージの子供用ブレスレットにインスピレーションを受けて生み出したという作品。女性ならではの感性が見事に発揮されています。一流ホテルやレストランにも使用されています。
デザイナー/パトリシア・ウルキオラ
(1961-)
スペイン出身の女性デザイナー。建築作品のほか、家具デザイン、トップブランドのプロダクトデザイン、アートディレクションなどを手掛けています。2015年より、〈Cassina〉のアート・ディレクターに。東京・南青山の〈Molteni&C〉の内装も彼女が担当しました。
A330S Golden Bell /ゴールデンベル フィンランド1937
アルヴァ・アアルトがサヴォイレストランのために設計。1937年のパリ万博にも出店された名作です。
ぽってりとした曲線のフォルムがやわらかく、どのようなインテリアにも馴染む融和性があることも長く愛されている理由の1つ。
ゴールド・ホワイト・クローム・ブラックがあり、それぞれ印象が異なります。コンパクトなため、大きなダイニングテーブルには3つほど並べるのがおすすめです。
デザイナー/アルヴァ・アアルト
(1898-1976)
フィンランド生まれ。北欧を代表する建築家として知られています。建築のほかに、家具やテキスタイルなどデザインは多岐に渡り、今でも名作として愛されています。暮らしを中心に据えたシンプルでムダのないデザイン。あたたかく、どのような空間にもフィットします。
まとめ
有名建築家のデザインしたマスターピースなペンダントライトをご紹介しました。デザイン性よりもまずは“心地よさ”ありきというのは、いずれのライトも共通ですね。光の反射や光源の見せ方などを工夫し、暮らしに寄り添うからこそ誕生から半世紀を超えても愛され、親しまれていく。
「ダイニングにはとっておきのペンダントライトを設置したい」と思ったら、ぜひ、名作ペンダントライトを取り入れてみてください。アート作品を飾るようなステキな空間が生まれます。
もちろん名作以外にもステキなペンダントライトはたくさんあります。インテリアになじむペンダントライトをお探しの方は、ぜひクラフトにご相談下さい。リノベーションプランに合わせて、ぴったりなアイテムをご提案いたします。
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