シンプルモダンなインテリア。都会的で洗練されたデザインは、いつの時代も支持されてきました。
しかしこのシンプルモダンのインテリア、簡単そうでいてなかなか難しいですね。シンプルすぎると簡素になり、デコレーションしすぎるともはやシンプルではなくなってしまいます。
今回は、リノベーションで絶妙なシンプルモダンな空間をつくる5つのルールをご紹介します。
〈1〉シンプルモダンは”白”をベースカラーに
シンプルモダンな空間といえば、とにかく白。ベースカラーは基本的に、清潔な白が望ましいです。
全体のバランスをみながら、あくまで控えめに色を足していきます。シンプルモダンを目指すなら、赤や黄色といったヴィヴィットカラーは避け、べージュやブラウン、ライトグレーといったやさしい色を選びましょう。黒やグレーを入れ、淡い空間をぐっと引き締める場合もあります。
白だからこそプラスした色が際立ちます。合わせる家具やカーテンはもちろん、ドアの取っ手の色まで気を抜かずに選ぶことが大切です。
〈シンプルモダンの条件 その1〉
ベースカラーは白。プラスする色は小さな面積でも、影響は大きなものです。慎重に選びましょう。
〈2〉シンプルモダンは”余白”をつくる
床にスペースがあると、家具を置きたくなりませんか。
大きな壁があると、棚を設けたくなりませんか。
ここでぐっと我慢してください。シンプルモダンなインテリアには余白がマストです。一見ムダなスペースに思える余白が、シンプルモダンのポイントとなってきます。
家具もディスプレイも最低限。
ミニマリストのインテリアに近いものがありますが、「モノを最低限しか所有しない」というわけではありません。あくまでも全体のバランスを見ながら、厳選した小物やグリーンを足していきましょう。引き算を意識しつつ、上品に空間を飾る。これがシンプルモダンのポイントです。
〈シンプルモダンの条件 その2〉
空間に余白をつくります。モノを置きたくなってもぐっと我慢。お気に入りのモノだけセンスよく並べましょう。
〈3〉シンプルモダンは”素材”にこだわる
シンプルだからこそ、素材感が目立ちます。たとえば白いニット。写真では同じように見えても、アクリルとカシミアはまったく違いますよね。見た目の風合いと肌ざわりは別物です。
リノベーションでも同じです。シンプルモダンのインテリアは余計な飾りがないぶん、床・壁・天井の質感がダイレクトに伝わってしまいます。素材を選ぶときは、サンプルを見て質感や肌ざわりをたしかめながら選びましょう。
無垢のフローリングや漆喰、珪藻土の壁。こういった上質な自然素材には、絶対的な存在感があります。シンプルな空間で、とっておきのアクセントとなってくれるでしょう。
〈シンプルモダンの条件 その3〉
素材には徹底的にこだわる。無垢材や漆喰、珪藻土など、シンプルでも素材感が伝わるものを厳選しましょう。
〈4〉シンプルモダンは”収納”たっぷり
シンプルモダンなインテリアのためには、モノを出さないこと。
そもそも”モノを出さない暮らし”というのは、かなりハードルが高い。明日からすぐにできるワケではありません。「どうせみんなクローゼットに押し込んでるんでしょ」なんて思われてるかもしれませんが、それでいいんです。どんどん収納に押し込んでください。
ただし、
・必要な場所に
・たっぷりとつくる
ことが大切です。いつ・どこで・何を使うか。これをリノベーションのデザイナーに伝え、必要な場所に必要な収納をつくってもらいましょう。使う場所に収納がなければ、結局は出しっぱなしになっちゃいますから。
こちらは、キッチンのリノベーション実例です。壁面収納は4枚引き戸で覆いすっきりと仕上げています。引き戸は鏡面塗装のため、窓の景色が映り込み伸びやかなイメージですね。
さらにキッチンカウンターも収納となっています。グラスや食器、ランチョンマットなどを入れるダイニングの収納として活躍しています。
〈シンプルモダンの条件 その4〉
必要な場所にたっぷりと収納をつくり、モノを出さない暮らしを心がけましょう。
〈5〉シンプルモダンは”家具”もシンプル
さて、こうしてシンプルモダンな空間が完成しました。いよいよ最後は家具です。
よくあるのが、はりきりすぎて最後の最後に、ミスマッチな家具を買ってしまうケース。せっかくシンプルモダンなインテリアに仕上げても、家具で台無しになってしまうこともあります。
たとえばこちらは、無垢のナラのダイニングセット。シンプルモダンにリノベーションした空間に溶け込んでいます。しなやかで繊細なシルエットと、ナラのやわらかな質感。これだけで十分、インテリアのアクセントになるでしょう。
〈シンプルモダンの条件 その5〉
家具もシンプルに。奇抜さよりもベーシックなデザイン、上質な素材感を重視してセレクトしましょう。
まとめ
シンプルモダンな空間をつくるための5つの法則をご紹介しました。
・ベースカラーは白
・余白をつくる
・素材にこだわる
・収納たっぷり
・家具もシンプルに
というのが基本です。
ただし、シンプルモダンといっても、「ホテルライク」「ナチュラル」「クール」とさまざまなテイストがあります。それによって、使う素材やデザインが変わってきます。たとえばホテルライクがお好きなら、光沢のあるタイルやガラスを使ってラグジュアリーに。クールな雰囲気がお好きなら、黒皮鉄や石のタイルを使ってスタイリッシュに。同じシンプルモダンでも、暮らす人の好みでまったく変わってきます。
リノベーション会社のデザイナーに相談しながら「どのようなシンプルモダンを目指すか?」を、じっくりと決めていきましょう。