家がせまい、息苦しい。でもマンションだから増築できない。もう、引っ越すしかないのか…。
そんなみなさんに朗報です。
狭い部屋を実際に面積は広くできなくても、リフォームで広さを”体感させる”ことなら、簡単にできます。今回は、リフォームの実例をもとに、視覚的効果で広く見せる5つのコツを紹介します。
”視線”を通して部屋を広く見せる
もしかして、壁で視界が遮られていませんか?
大きなスタンドや家具、グリーンなども注意です。理想的なのは、空間の端から端までの見通せるワンルームのような空間。
タテヨコ、ナナメにながーく視線が通ると、人は実面積以上の伸びやかさを感じることができます。オープンキッチンだとLDKが広く感じられるのは、そのためです。
この視覚的効果を意識したプランニングなら、かなりの開放感をつくることができるでしょう。できれば家具も、視界を遮らないように配置したいところです。
しかし、どうしても視線上に置かなければ他に置きようがない場合は、空間に馴染む色・スリムなデザインのものを選ぶとよいでしょう。見通しを邪魔しません。
”借景”で部屋を広く見せる
”借景”という言葉をご存知でしょうか?
言葉のとおり、住まいの中に窓の景色を拝借することです。中庭に面した和室の障子を開けると、簡素な空間に庭の華やぎや趣が舞い込んできますよね。まさにこれです。お住まいに中庭がなくても、空や海や公園、街路樹などをにインテリアの一部にしてしまえば、実際の広さを変えなくても、十分に開放感が生まれます。
たとえば、ソファやダイニングに座ったとき、あるいはキッチンから、自然に窓の景色が視界に入るようにレイアウトする。内と外の境界線がなくなり、室内が外につながっているような広がりを感じることができます。
大きな窓は、ペアガラスに変えたり、インナーサッシを設ければ、寒さも気にならないはずです。
”ミラー”で部屋を広く見せる
鏡を熱心に見つめているみなさんに声を大にして言いたい。鏡はただの姿見だと思ったら大間違いです。
たとえば、廊下の突き当たりに置くだけで、その先まで空間が続いているような伸びやかさが生まれます。さらに、鏡に窓の外の景色が映るように配置すれば、清々しさや開放感もアップ。
また、洗面室やトイレのような狭い空間に大きな鏡を貼って広さを感じさせる方法も有効です。鏡に窓の景色が映るようにレイアウトすれば、窓がたくさんあるような錯覚に。
ちょっと子供だましのようですが、効果は絶大。ぜひ試してみてください。
白でまとめて部屋を広く見せる
広く見せたいのであれば、ベースカラーは白。シンプルな白がおすすめです。
窓から注ぐ自然光を拡散し、目の覚めるような白さで開放感をもたらしてくれます。白いカーペットは足ざわりが気持ちがいいし、防音性もありますが、汚れが気になるという方は、白いタイルもよいでしょう。
光沢のある大判タイルなら、窓から注ぐ光を拡散し、明るく伸びやかな印象が生まれます。白いフローリングもありますので、どの素材にするかはお好みと用途に合わせて選んでくださいね。
”ガラス”の間仕切りで部屋を広く見せる
「狭くなるから、ここに壁をつくりたくないんですけど」
なんて声をいただくことがありますが、壁がないと冷暖房が効きにくくなっちゃいます。電気代の請求書を見たときに、とんだ間違いをおかしたことに気付くでしょう。
というわけで、壁の代わりにガラスの間仕切り壁がおすすめ。ガラスは光と視線を通すため、別々の空間がつながっているように感じます。建具をガラス戸にすると、さらにその効果を発揮します。
壁があることを忘れてダイブしないように気をつけてください。
ちなみに、廊下からはLDKの隅々を見通すことができて開放感がたっぷり。リビングのバルコニーから注ぐ光がホールまで行き届くという相乗効果も生まれました。
まとめ
いかがでしょう。視覚的効果をふんだんに使って、狭い部屋を広く見せる方法はいくらでもあります。これ意外にも、フローリングを長手方向に張ったり、壁一面にカウンターを設けるなども。
ただし、狭いトイレが落ち着くように、やたらに広ければよいというわけではなさそうです。とくに書斎やベッドルームといったプライベートな空間は天井を下げるなどしてこもった雰囲気をつくったほうが、心が休まることも。
部屋を広く見せる方法はいくらでもありますが、「どのような目的があって広くしたいのか」をはっきりさせてプランニングしなければ、だだ広いだけで落ち着かない空間になってしまいます。”適切な”広さや、他の部屋との兼ね合いがあるので、勝手に決めずにデザイナーに相談しましょう。